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オランダ最高裁Philips勝訴SEP判決(判決公開)Philips v. WIKO in Dutch Supreme Court


今回の事案は原告Philips, 被告WIKO SAS(中国スマホメーカーTinnoMobileのフランス子会社)の2件のSEP訴訟において、WIKOの上告を棄却したものである。この訴訟はフィリップス社の有するSEP特許(EP 525,659など)を巡るもので、2019年のオランダ地裁の原審ではWIKOが主張するPhilips特許の無効が認められたが、控訴審でEP659を含む特許の有効性で逆転判断となっていた点を認めたほか、WIKOがunwilling licenseeであるとしてPhilipsの勝訴を認めた判示となった。

今回の争点となっていたのは実施者が当初はライセンス契約交渉に対してunwillingであったものの、裁判の進行過程で特許の有効性やFRANDレートが見えてきたことによりwilling に態度を変えた点の評価と、もう一つはSEP権利者が他のライセンス契約を開示することの必要性である。最高裁は審理過程で態度を変えたWikoをunwillingと判断し、SEP権利者はHuawei v. ZTE(2015 CJEU)により提示レートがFRANDであるかどうかの証明責任は負わず、どのようなレートであるかのみを説明できれば足り(算出根拠は不要)、さらに他のライセンス契約を開示する義務はないと判示した。


上告審はFRANDであるか否かについて判断をするのではなく、実施者がwillingかunwillingかという点で判断をおこなっている点が注目される。今回の判決での流れはオランダがSEP権利者に有利な裁判地と見られることを裏付ける結果となっている。

今回の二つの最高裁判決

1)Koninklijke Philips N.V. v. Wiko SAS Dutch Supreme Court, the Netherlands, 25 February 2022, Case No. ECLI:NL:HR:2022:163

2)Wiko SAS v. Koninklijke Philips N.V., Dutch Supreme Court, 25 February 2022, Case nos. ECLI:NL:HR:2022:296 and ECLI:NL:HR:2022:294

判決文:上告棄却(オランダ語)

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控訴審 Hague Court of Appeal , Philips v. Wiko and Asustek

Koninklijke Philips N.V. v. Wiko SAS, Court of Appeal The Hague, The Netherlands, 24 December 2019, Case No. ECLI:NL:GHDHA:2019:3433

EP Law 2020-01-08 https://eplaw.org/nl-philips-v-wiko-appeal-2/

新規性、進歩性で欠缺。

同判決について、BarensKrans

参考記事

IAM 2022.03.22

https://www.iam-media.com/frand/dutch-supreme-court-bolsters-sep-owners-frand-dance-questions-remain-unanswered ,

BarensKrans記事

Photo: Unsplash, Bart Ros

 
 
 

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