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AIはSEP必須判定をどこまでできるのか AI in SEP Essentiality Testing: Strengths and Structural Limits
―― 特許情報フェア(PIFC)での登壇と、三社のSEP必須鑑定テストが示したもの September 23, 2026 by Toshi Futamata 2026年9月18日、特許情報フェア&コンファレンス(PIFC)において、「知財AI、結局どれを使うべきか ―― 汎用・自社・特化AIの使い分け」と題するセッションが開催された(11:35〜12:15)。登壇者は、XLSCOUTのKomal Talwar氏とHiroyo Clemente氏、そしてゲストスピーカーの私、二又俊文の3名である。汎用AI・自社AI・特許特化AIをどう使い分けるかという実務的な問いを扱うなかで、私はSEP(標準必須特許)の必須性評価を題材に、「AIと人間の協働」が実務上どのような意味を持つのかを、独立した専門家の立場からお話しした。本稿はその内容をまとめたものである。 東京地裁という参照点と、三社の独立分析 題材としたのは、日本特許6401224号(LTEのPHICHマッピングに関する特許)である。この特許は、日本で初めてSEP侵害に基づく差止めを認めた東京地裁判
Toshi Futamata
3 日前読了時間: 5分


日中4社が画像特許でプール形成 ― Canon・Sony参加 Imaging Non-SEP Pool by Four Japanese and Chinese Firms Commenced
September 21, 2026 by Toshi Futamata Canon・Sony・Huawei・OPPO、125,000件超/運営:Tulip Licensing Ltd(ロンドン)/発表:2026年9月10日(PR Newswire) http://www.prnewswire.com/news-releases/tulip-unveils-global-imaging-patent-licensing-program-302873915.html 画像技術の特許は、長らく端末を作る者どうしの間で処理されてきた。カメラ、センサー、スマートフォン。その価値が、いま端末ではなく画像を使う側――SNS、Eコマース、配信のプラットフォーム――に向かい始めている。2026年9月10日に発表された「Tulip Imaging」は、その動きを象徴する。日本のCanon・Sonyと中国のHuawei・OPPOが、125,000件超の特許を一つの窓口に束ねた。しかも対象は標準必須特許(SEP)ではない。 事実関係 Tulip...
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5 日前読了時間: 6分
CNIPAのトップが変わる ― 陳福利とWTO紛争 Chen Fuli and China’s WTO Disputes
September 15, 2026 by Toshi Futamata 中央組織部発表 2026年9月10日/国家知識産権局(CNIPA) 中国の知財行政のトップが交代しようとしている。 1.党側と行政側の二頭並立 2026年9月10日、中央組織部はCNIPAの指導幹部会議で、陳福利を党組書記とし、申長雨を同職から外す決定を公表した。発表されたのは党組書記のみで、まだ局長職には触れていない。 中国の官庁では党組書記と行政首長の兼任が通例であり、申長雨も2013年12月以来、13年近く両職を兼ねてきた。今回は一方だけが動いた。党側に陳福利、行政側に申長雨という二頭並立が、少なくとも形式上は続いている。局長は国務院の任免事項であり、公告が出るまで確定しない。兼任の蓋然性は高いが先例もある。 2.CNIPA局長 申長雨はどこへ行くのか 申長雨は2026年10月1日付でWIPO事務局次長に就く。任期は2032年9月30日まで。ただし席の位置は見ておく必要がある。 WIPOの事務局長はシンガポールのDaren Tangが2020年から占め、2026年4月
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9月14日読了時間: 4分
<論考>東京地裁SEP調停(SEPJM)の戦略的活用 <Article>Strategic Use of the Tokyo District Court's SEP Judicial Mediation (SEPJM)
副題:権利者・実施者双方が使えるSEP紛争解決の新制度 日本知的財産協会(JIPA) 「知財管理」Vol. 76 No. 8 2026 p.1040-1051掲載 執筆: 二又 俊文 転載許諾をいただきましたので 掲載いたします。 抄録 東京地方裁判所は2026年1月に「標準必須特許(SEP)に基づく特許権侵害訴訟の審理要 領(以下「SEP訴訟審理要領」という)を発表し,同年2月に「SEP調停(SEPJM:SEP Judicial Mediation )の審理要領」(以下「SEPJM審理要領」という)の運用を開始した。本制度は従来の差 止訴訟一本やりの構造を変え,権利者・実施者いずれからも申立可能な「交渉促進型」の紛争解決フ レームワークを裁判所が提供する日本型の試みである。本稿は判例解説よりも実務活用に焦点を当て, SEPJM誕生の背景となった一連の判決の意義,制度の核心的設計,そして権利者・実施者それぞれ の知財戦略・経営戦略への組み込み方を論じる。特に実施者・中小企業にとってのオフェンシブな活 用可能性と,SEP紛争に伴う多正
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9月13日読了時間: 2分


FRANDレートをどう決めるか③(ドイツとUPC) Who Sets FRAND Rate(Germany, UPC)
September 6, 2026 by Toshi Futamata UPCマンハイム地方部・和解提案(2026年5月13日)UPC_CFI_850/2024/PMAC調停規則26条・27条/UPC控訴裁オーダー(2026年3月16日、UPC_CoA_904/2025・905/2025) <全3回「FRANDレートをどう決めるか」連載 その最終回> 前回では、ロンドン、重慶、ミュンヘンがFRANDレートをどう決めようとしているのかを並べて見た。ただし、この三つを同じ列に置くことには注意がいる。自らレートを決定したのは英国と中国だけである。ロンドンは5年で3億9200万ドル、重慶は6年で7億3100万ドルを定めた。ミュンヘンI地裁は相当と考える額を述べたにとどまり、UPCマンハイム地方部は条件を提案したうえで判断そのものを差し控えた。 連載最終回ではこの違いを扱う。問いは「どの国の裁判所が決めるのか」ではない。数字はどこで生まれ、誰がそれに法的効力を与えるのか、である。 連載第2回「FRANDレートをどう決めるか②(この一年の判例と指針)」につい
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9月6日読了時間: 5分


FRANDレートをどう決めるか②(この一年の判例と指針)Who Sets FRAND Rate(Reviewing 2026)?
September 3, 2026 by Toshi Futamata <全3回連載の第2回> SEPをめぐる論争の重心が、差止めの可否から、FRAND料率の算定そのものへ移りつつある。この一年、英国、ドイツ、中国、日本、インドで算定に踏み込んだ判断と指針が相次いだ。本稿は2025年10月31日から2026年8月19日までの20件を一覧に掲げ、そこから読み取れることを整理する。判決のほか、東京地方裁判所とミュンヘン地方裁判所の審理指針、EPOとWIPOの研究を含めた。公開資料で確認できる範囲である。 全20件の判決、ガイドライン一覧(PDF) 対象期間 2025年10月31日〜2026年8月19日/英国・ドイツ・UPC・中国・日本・インドの判断および EPO・WIPO の研究 計20件 1.算出手法は収斂したが、結論は分かれた 英国のSamsung対ZTEはtop-downを主たる手法とせず、ZTE–Appleの2020年ライセンスを主要な比較対象とした。一方ミュンヘンのFRANDガイドラインは比較ライセンスを第一順位に置き、top-down
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9月3日読了時間: 6分


FRANDレートをどう決めるか①(ミュンヘン地裁)FRAND guidelines from Munich D.C.
August 28, 2026 by Toshi Futamata ミュンヘン第一地方裁判所第7民事部「FRAND-Richtlinien」(2026年8月13日付、全67頁) <3回連載その第1回> SEP訴訟で料率そのものが争点になったとき、裁判所は何を手がかりに判断するのか。ドイツの実務は長らく当事者の交渉態度に判断を集中させ、料率の中身に立ち入らずに済ませてきた。その前提が変わりつつある。 1.公表された文書 2026年8月13日、ミュンヘン第一地方裁判所第7民事部がFRAND指針(FRAND-Richtlinien 67頁)を公表した。Schön部長判事、Schweyer判事、Tözsér判事の合議体全員の合意による。 本年前半に同部(注1)が言い渡した四つの判決の理由を要約したものであり、その四つとは、ASUS II(Nokia対ASUS、H.265/HEVC、7 O 4102/25、2026年1月22日)、ASUS I(Wilus対ASUS、WiFi 6、7 O 5007/25、同月29日)、RENAULT(Avago対Rena
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8月29日読了時間: 10分


<寄稿>サムスン-ZTE事件、韓国のSEP実務者は何を見ているか <Guest Contribution> Samsung v. ZTE: A View from Korea's SEP Practice
―特に訴訟地選択に関して― Dr. Sehwan Choi , Ph.D. Patent Attorney, FirstLaw P.C. 1. なぜこの論争を韓国から改めて見るのか サムスンとZTEの特許紛争事件において、複数の裁判所で相次いで判決が下されるにつれ、韓国のIP/SEP実務者の間では、実は判決の結論そのものよりも、その後に残された問いのほうが長く残っている。ZTEはどのようにしてこれほど巧みに訴訟を進めることができたのか(あるいは、サムスンはなぜ事実上完敗しているのか)、裁判地としてソウルはなぜそもそも選択肢になかったのか、そしてこの闘いにおいて韓国企業が今後も振り回される立場から脱するには何が必要か。日本の実務者も同様の疑問に直面しているのではないかと考え、本稿を執筆する。本稿は特に裁判地選択に焦点を当てて事件を見ていく。 2. 事実関係―紛争の経緯 サムスン-ZTE間の特許クロスライセンス契約は2023年末に満了し、再交渉が決裂したことを受け、サムスンは2024年12月に英国ロンドンで、ZTEはその4日後に中国重慶で、それぞれ
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8月23日読了時間: 6分


Non-SEPs―Qi無線充電紛争が示すもの Qi Wireless Charging Disputes: Non-SEPs and the Reach of FRAND
August 17, 2026 by Toshi Futamata Philips v. Belkin(UPCミュンヘン支部、2024年9月13日)/Philips v. Baseus(UPC-CFI-0002719/2026、2026年7月28日提訴) SEPをめぐる紛争は通信規格を舞台とすることが多いが、無線充電規格Qiに関する一連の紛争は、それとは異なる位相を示している。Qiには有線充電をはじめとする代替手段があり、規格を実施しないという選択が現実に可能である。この規格の代替性は、実施者にとってFRAND抗弁の前提を崩す一方、権利者にとっても差止の実効性を左右する。権利者側の実務がこの条件下でどう組み立てられているかを追うことには意味がある。 事実関係 Philipsは、Qi無線充電標準に必須と宣言された特許EP2867997(“Wireless Inductive Power Transfer”)を用い、2024年9月13日、UPCミュンヘン支部においてBelkinに対する恒久的差止命令を得た。UPC発足後、SEPについて本案判断が下さ
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8月17日読了時間: 5分


プール料率は誰が審査するのか
実施者Snapの英国提訴と Tesla v InterDigital & Avanci ― Who Scrutinizes a Pool Rate? Snap v. Dolby / Access Advance|英国高等法院特許裁判所|HP-2026-000026|2026年7月10日提訴 SEP訴訟の重点は、この数年で通信技術から映像コーデックへ移りつつある。3G・4G・5Gの標準必須特許を軸としていた紛争は一巡し、代わってHEVC、VVC、AV1をめぐる事案が増えている。当事者も、端末メーカーから配信プラットフォームへと広がってきた。 2026年7月10日、SnapがDolby Laboratoriesおよびパテントプール運営者Access Advanceを被告として、英国高等法院特許裁判所に提訴した(HP-2026-000026)。Snapは写真・動画共有アプリSnapchatを運営する米国企業であり、端末を製造しない。ユーザーが投稿した動画をサーバ側で符号化・配信する型の実施者である。対象はAccess AdvanceのHEVCハードウェ
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8月10日読了時間: 8分


SEP調停を巡る国際シンポジウム開催報告 (3) 写真集 International Symposium on SEP Mediation (3) Photos
共催者 慶應義塾大学知的財産フォーラムから写真つきの開催レポートを発表いただきましたのでそのリンクを掲載させていただきます。 (写真:慶應義塾大学) https://cps.kgri.keio.ac.jp/news/2113/ 【開催レポート】SEP(標準必須特許)調停をめぐる最新の動向:国際知的財産法シンポジウム(SEP研究会・慶應義塾大学知的財産フォーラム共催)(2026年7月15日(水)開催)
Toshi Futamata
7月31日読了時間: 1分


AvanciプールレートはFRANDか-- 英国最高裁が提起した課題 Tesla v IDC/Avanci in UK-SC
July 30, 2026 by Toshi Futamata Is the Pool Rate FRAND? The Questions the UK Supreme Court Raised(Tesla v InterDigital & Avanci を読む) Tesla, Inc v InterDigital Patent Holdings, Inc [2026]UKSC 27(2026年7月27日)|UKSC/2025/0058/A|Lord Hamblen・Lord Kitchin(全員一致) 判決原文(PDF): https://supremecourt.uk/uploads/uksc_2025_0058_0058_A_judgment_cfc205a858.pdf 2026年7月27日、英国最高裁判所はTesla対InterDigital事件で、下級審の判断を覆してTeslaの請求を復活させた。争点は、Teslaが英国で5G対応車両を投入するにあたり、Avanciの車載向け特許プラットフォーム(プール)が提示する1台あたり$32・交
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7月30日読了時間: 5分
「良い特許」だけでは決まらない ― Samsung v. ZTEが日本のSEP権利者に問うもの Good Patents Are Not Enough: What Samsung v. ZTE Reveals About How Royalty Rates Are Really Set
July 28, 2026 by Toshi Futamata Samsung v. ZTE [2026] EWHC 999 (Pat) Mr Justice Meade, 2026 判決原文_ https://www.judiciary.uk/wp-content/uploads/2026/05/Samsung-v-ZTE-FRAND-judgment-REDACTED-Final-for-hand-down-005.pdf 標準必須特許(SEP)のFRAND料率は、特許ポートフォリオの技術的価値だけで決まるわけではない。実現した料率は、当事者の交渉力、訴訟遂行の姿勢、そして交渉の不透明性に大きく左右される――英国高等法院のMeade判事が本年5月に言い渡したSamsung対ZTEのFRAND判決は、この当たり前のようで見過ごされがちな事実を、比較対象ライセンス(comparable licences)の詳細な分析を通じて可視化した。本稿では、日本企業(NEC・ドコモ・シャープ)のライセンスがどう評価されたかを手がかりに、英国判決の含意を、
Toshi Futamata
7月29日読了時間: 8分
SEP調停を巡る国際シンポジウム開催報告【発表資料】 International Symposium on SEP Mediation(Presentations)
7月15日慶應義塾大学三田キャンパスで開催された「SEP調停を巡る国際シンポジウム」において発表されたスライドを発表者のご厚意で公開いたします。 1)Dr Mattias Zigann UPC ミュンヘンLD判事 Recent UPC developments regarding SEPs and the potential role of mediation, arbitration, expert determination and hybrid formats at the PMAC Zigann判事は、UPCにおけるSEP紛争の現状とPMAC(特許調停仲裁センター)の可能性を論じた。SEP紛争では通常グローバル・ポートフォリオ・ライセンスが争点となる一方、グローバルな管轄を単独で有する統一的国際裁判所は事実上存在せず、全当事者の合意を前提とするADRが「唯一のワンストップ解決」を提供し得る点を議論の出発点とした。 UPCの近年の裁判例(Panasonic対Oppo、Huawei対Netgear、Philips対Belkin、Dolby
Toshi Futamata
7月18日読了時間: 4分


SEP調停を巡る国際シンポジウム開催報告(概要) International Symposium on SEP Mediation(1)
2026年7月15日、慶應義塾大学三田キャンパスにて開催 共催:慶應義塾大学知的財産フォーラム、SEP研究会 Held on July 15, 2026, at Keio University, Mita Campus English Recap On July 15, 2026, an international symposium on SEP mediation was held at Keio University’s Mita Campus. Speakers included Judge Zigann (UPC Munich), Judge Iwai (Tokyo District Court), Ms. Heike Wollgast (WIPO, online), and Ms. Wang Yanfang (former Senior Judge, Supreme People’s Court of China). The symposium highlighted a striking convergence: courts an
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7月17日読了時間: 4分
2026年前半で最も読まれた記事 Most Read Articles in the First Half of 2026
July 4, 2026 by Toshi Futamata 2026年も折り返し地点を過ぎました。そこで今回は上半期で最も読まれた記事をまとめました。 今年前半で一番の注目を集めたのは、やはり東京地裁におけるPantech v Google判決を受けて、今年1月に出た「標準必須特許(SEP)に基づく特許件侵害訴訟の審理要領」、と「SEP調停(SEPJM: SEP Judicial Mediation)の審理要領」に関する記事で、アクセスランキングの上位を占めることになりました。 東京地裁判決・調停関連記事は: 1月20日【速報】東京地裁がSEP訴訟審理要領を公表 1月24日【セミナー】日本におけるSEPの最新裁判例 1月30日 東京地裁SEP専門調停開始 2月4日 【対話】日本発SEP調停制度を巡るグローバル論争 動きの激しいコネクテッドカーにおけるSEP動向も注目を集めていました。 2月28日 車載コネクテッド技術を巡るSEP訴訟の最前線 https://ipr-study.wixsite.com/sep-research-japan/pos
Toshi Futamata
7月4日読了時間: 1分
自民党知財戦略提言を読む――欠けていた「SEP」という一語 LDP's IP & Standards Proposal: Everything but SEP
June 29, 2026 by Toshi Futamata 1. 提言の概要(ファクト) 2026年6月25日、自由民主党知的財産戦略調査会は、知財戦略を成長戦略および経済安全保障政策の「根幹」に位置づける提言を取りまとめ、内閣総理大臣に申し入れた(提言本体は令和8年5月26日付)。キャッチコピーは「ビジネスで勝つ知財へ」。出発点となる問題意識は、日本がこれまで繰り返してきた「技術で勝ってビジネスで負ける」状況の打開であり、その根本原因を「知財の価値が長年著しく低く評価されてきたこと」に求めている。 提言は、本調査会の下に置かれた3つの小委員会(①知的財産権創出・保護、②国際標準化、③コンテンツ戦略)の議論を踏まえ、(I) 知的財産の創造と保護、(II) 国際標準化の推進、(III) コンテンツ戦略の推進、(IV) クールジャパン戦略の新たな展開、の4分野で構成される。主な内容は次のとおり。 (I) 知的財産の創造と保護 - 高市政権の「成長戦略17分野」において、政府主導でIPランドスケープを実施し、チョークポイントとなる技術・知財を戦略的
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6月30日読了時間: 5分
Huawei、Wi-Fi 7レートを発表—その背景 Huawei's Wi-Fi 7 Rate: Transparency, Pools, and the Litigation Behind It
June 26,2026 by Toshi futamata Wi-Fiの現在の主流はWi-Fi 6であり、Wi-Fi 7の消費者向け実装が本格化するのは2027〜2028年頃と見られている。それに先行して、2026年はキャリア層でWi-Fi 7の採用が加速する年と位置付けられている。 2026年6月18日、Huaweiはサンディエゴで開催されたIPBC Global 2026の場で、コンスーマー向けWi-Fi 7準拠機器について1台あたり0.50ドルのロイヤルティレートを発表した。 Emil Zhang氏(2012 Labs and New Technology IPR部門責任者)は、早期公表によって交渉前の「ブラックボックス」への懸念を取り除き、ライセンシーとの信頼構築を図る狙いを語った。2023年7月のWi-Fi 6レート(同水準)の延長線を示した。 同時にHuaweiは、二者間ライセンスとSisvelのパテントプールをFRAND下の並列オプションとして提示している。Sisvel Wi-Fi Multimodeプール(2026年1月、ルクセ
Toshi Futamata
6月26日読了時間: 2分
IDC v Disney in UPCマンハイム支部 Disney敗訴。差止め
UPC判決Mannheim Local Division InterDigital v Walt Disney, UPC_CFI_86/2025 判決文(全65ページ) https://www.unifiedpatentcourt.org/sites/default/files/files/api_order/86-25%20redacted.pdf UPCマンハイムLDはHEVC(H.265)を巡るInterDigital(IDC)とDisneyとの係争で、DisneyのFRAND防御を認めず、特許の成立している11カ国で差止を認めた。 Disney+ストリーミングサービスに対する初のSEP関連差止めとなった。 ※UPCにおけるSEP差止めは初めてではない。Panasonic v Oppo事件(2024年11月22日)。 UPCがDisneyの主張を退けた理由は二つ: NDA: Disneyが、当事者間の交渉履歴全体を裁判所に提出することを妨げるNDA条項の包含を要求し、訴訟手続きの中でそのNDAを修正するための適切な協力を拒み、長期の引き
Toshi Futamata
6月24日読了時間: 2分
ドイツGRUR誌が注目した東京地裁パンテック対グーグル判決 Japanese SEP Practice in GRUR Patent: Pantech Google Decision
A PDF of the English article by Tomimoto et al., published in GRUR Patent, can be found at the end of this post. June 21, 2026 by Toshi Futamata ドイツの代表的知的財産専門誌「GRUR Patent」(2026年239号)に、冨本晃司弁護士(北浜法律事務所、パートナー)、大須賀滋弁護士(同オブカウンセル)、鈴木充津彦弁護士(同アソシエイト)による英文論考「Japanese SEP litigation – from the 2014 Grand Panel decision to the 2025 Tokyo District Court's Pantech v Google Case」が掲載された。同誌は欧州、特にドイツのSEP/FRAND実務家の間で広く読まれる、影響力の大きい媒体である。 冨本弁護士の論考概要メモ(日本語)と英文GRUR論考(英文)PDFをご厚意で転載する。初めにいただいた情報を踏ま
Toshi Futamata
6月21日読了時間: 5分