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BYDへのUPCハーグ訴訟  SEP case against BYD in UPC Hague LD

June 2, 2025 SEP


中国自動車メーカーBYD(比亚迪)に対するSEP訴訟があらたな段階に来ている。本年2月AvanciのパテントプールのライセンサーSol IP, LLC(米国バージニア州を本拠とする韓国系IP NPE)はBYDの欧州子会社(BYD Europe B.V.)を相手にミュンヘン地裁(LG München I )で2件の4G-SEPの特許(もともとは韓国ETRIの特許)の侵害認定と損害賠償を求めて提訴した。現時点でドイツでは差止命令は申請されていない。この訴訟は現在進行中で損害賠償のみを主張している点が特徴的である。これまでのダイムラーやフォードの事案とは異なる訴訟追行である(注)。

  ミュンヘンLG   訴訟番号 7 O 1579/25

       ミュンヘンLG   訴訟番号 7 O 1583/25

 

 (注)この事情についてはIP専門ブログ IPFRAY5月27日付けが詳しく報じている。https://api.follow.it/trackstatistics/v2/Lok38U08iwz5Z8skd-SFgLHpz_ysZtSgDuqnaAuSwz5NZY-qWcrqDctzn_1-r0cOOPoN9ZYT_UALBctdZR0XAnnPVwEt04Jq


SOL IPはドイツマンハイム地裁(LG Mannheim)でも提訴しており、今回、UPCハーグ地方部(UPC Hauge LD)でも2件の提訴をおこなった。UPC提訴ではドイツ訴訟とは異なり、差止を求めている。

  UPC  Case No. 25253/2025

    UPC   Case No. 25834/2025


UPC未加盟国スペインでも救済を求める提訴手続きを行ったとFlorian Mueller氏は報じている。


自動車メーカーでAvanciのライセンスを取得したと発表していないのは、中国自動車メーカーとテスラとなっているが、中国の自動車メーカーはAvanciプログラムの参加しておらず、グローバル展開する上で直面する喫緊の課題となっている。今回の事案は他の中国自動車メーカーにも影響を与えるだろう。


なお、ミュンヘンI地裁(LG)では、Avanciの加入ライセンサーのIP BridgeもBYDに対して2件の特許侵害訴訟を提訴している。この特許(EP2294737)は元々はPanasonicのSEPで、過去にダイムラーやフォードとの訴訟で使用され、SEPと認定を受けたものである。このドイツミュンヘン地裁提訴でも侵害認定と損害賠償のみを求めており、差止は求められていない。

 
 
 

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