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InterDigitalがSamsungから1600億円のロイヤリティ確定  InterDigital Awarded $1.05 bln in Samsung Arbitration


7月28日、ICC(国際商業会議所)の仲裁パネルは、米国InterDigital Inc(IDC).と韓国

Samsung Electronics Co., Ltd.との間で締結されたIDCのセルラーワイヤレス、ビデオテクノロジーに関する特許ライセンスの8年間ロイヤルティ総額を$10.5億ドル(約1600億円)と決定した。従前のライセンス契約は2022年12月31日に満了していたが、これまでの訴訟とは異なり今回は両者に訴訟回避の意向が強く働き、仲裁手続きとなっていた。


IDCがSEC(米国証券取引委員会)に提出した8Kレポート

によると、2023年1月1日から2030年12月31日までの8年間の特許ライセンスに対するロイヤルティは10億5000万ドルと設定された。 これにもとづく契約でInterDigitalは年間約1億3,100万ドル(約200億円)の経常収益を計上できることになった。


今回のSamsungからのロイヤリティはIDCが2022年にAppleと締結した7年間ロイヤリティ総額$9.38億ドル(注)を超える金額となり、IDCにとり史上最高額のライセンス契約となった。


(注)APPLEとの契約。2022年9月30日に締結された7年間ライセンス契約。APPLEは当時エリクソンとの大型訴訟の渦中にあり、IDCとの大型訴訟は回避しようとする意向が強く働いていた。一台あたり50〜55セント程度と言われる。https://www.intricateresearch.com/post/interdigital-apple-patent-licensing-deal


InterDigitalにとってAppleとSamsungはもっとも重要なライセンス先であったが、近年IDCは有力中国スマホ企業Xiaomi(2021), Lenovo(2023), Oppo(2024)とライセンス契約をあいついで完了しており、2024年年次報告書によるとIDCの収入は8.69億ドルとなっていた。今回のSamsungとの新たな合意でIDCは、いわゆる知財ライセンス収入の"One Billion US$ Club"(10億ドル特許ライセンスクラブ)が目前に来た。ここにはQualcomm, IBM, Nokia, Ericssonなどが名前を連ねる。


一方のSamsungにとっては今回の仲裁裁定結果の評価はむずかしいであろうが、現在Samsungが直面しているZTE v. Samsung訴訟などでZTEがcomparable license算定で主張した場合との整合性をどう対抗するかのリスクもあろう。


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InterDigital プレス発表



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