中国最高人民法院(SPC)が再び、SEPを巡る係争事案(Oppo v. Nokia)において中国の裁判所が適切な裁判地であり、中国の裁判所がグローバルレートを決定する権限を有すると2022年9月判示していることが判明した。SPCがグローバルレートの決定権限を認めたのは今回が2度目である。前回は2020年深圳中院のSharp/Oppoケースでの2021年8月SPC判決であった。
今回の事案はNokiaとOppoのライセンス更改交渉(当初契約は2018年)が2021年に決裂し、両社が全世界での訴訟合戦になったなかでの係争で、OppoはSEPのグローバルレートを決める権限が重慶中級人民法院にあることを主張し、SPCに控訴していたものである。
争われていたのは
1)中国の裁判所に裁判権があるか
2)重慶中院は適切な裁判地か
3)重慶中院はグローバルSEPレートを決定するに適切な裁判所か
であり、これらに対してSPCは重慶中院は裁判権を有し、グローバルレートを決定できると判示している。同時にノキアの申し立てていた北京法院への移送申立も却下した。
判決の理由については、ライセンス交渉が中国を中心に行われており、中国がライセンス契約の主たる実施地であり、実効のある場所であること。また、争う両社はともに中国法人(NOKIA China)であり、訴訟物で中国特許が46%を占めるとしている。またOppoはその製造拠点と開発拠点を重慶に有しており、北京に移送する必要はないとしている。
ニュースソース:Lexology 2022-12-26
Tsai Lee & Chen 連邦国際専利商標事務所
なお、現在NokiaとOppoは世界中で係争を続けており、世界20箇所で繰り広げられる17ヶ月にわたる全面係争についてはFOSSブログ(2022年12月2日付)が詳しい。