(中) ファーウエイのEV車で新たな動き Huawei advances in EVs
- 二又 俊文
- 2023年7月21日
- 読了時間: 2分
中国におけるSEP係争においては現在3つの動きが注目される。
一つ目は従来からのスマホを巡る係争では中国企業と海外企業との訴訟だけでなく、華為(ファーウエイ)などのSEP権利者と中国国内の実施者である中国企業とが起きている。二つ目はコネクテットカーの分野でAVANCIのパテントプールはまだ中国自動車企業との契約が締結されていない状態が続きておりいわば「嵐の前の静けさ」である。三つ目は(当ブログでも既報のように)中国独禁当局SAMRがSEPを巡る独占禁止法運用のための規定を発表し、意見募集を開始し、権利者よりも実施者である新エネルギー車(ここでは簡易的にEV車とする)メーカーへの配慮を重視した政策が取られようとしていることである。
EV車の急速な市場拡大のなか、華為の新たな動きが見えてきたので紹介する。
華為はSEPにおいての巨大なポートフォリオを有する企業であるが、TCUモジュールなどを組み込んだシステム(華為智選ファーウェイ・スマートセレクション)提供者として世界中のOEMにさまざまな形態での供給契約を広げ始めている。
一方で華為はEV車分野への本格参入体制を構築するため、一昨年から賽力斯集団(SERES Automobile)と協業していたが、両社の共同開発した問界(AITO)のSUVはわずか2年でEV上位ブランドでヒットモデルとなっている。
この順調な進展のなか、華為の自動車事業部門への集結はSERES以外にも加速しようとしており、国有中堅メーカーの奇瑞汽車や江淮汽車、国有大手の北京汽車集団傘下の北汽藍谷新能源科技なども加わり、EVの新ブランド問界(AITO)ブランドの販売網を通じて多くのOEMのEVが統一発売されるのではないかと報じられている。
この間の事情を東洋経済ONLINE(7月19日付)が「財新」の記事を引用して報道している。
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