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Ericsson v. Lenovo グローバルライセンス契約締結へ和解 Lenovo and Ericsson ends global litigation

更新日:2025年4月13日

2025-APR-05 SEP

3つの注目される大型訴訟がある。

左側がSEP権利者、右側が SEP実施者と見ていただくとわかりやすいだろう

  1. Ericsson v. Lenovo  

  2. Nokia v. Amazon

  3. ZTE v. Samsung

今回はグローバルライセンスが締結され、それまでのグローバル訴訟が決着したEricsson v. Lenovoの動きをまとめる。


係争の概要

EricssonとLenovoの訴訟は、5G通信規格に関するSEPを巡る争いである。 両社はライセンス条件について合意に至らず、2023年末、EricssonはLenovoを米国、英国、ブラジル、コロンビアで提訴した。この訴訟はASIをめぐる複雑な係争が各国で交錯したケースであるが、米国ではASIの3原則(2012年)でEricssonの主張がみとめられ、Lenovoの主張するASIは不発に終わった。

しかし、英国だけは原審の判断を控訴審が一転させLenovoの主張を認め、Ericssonをunwilling licensor と認定し、不利な立場のEricssonは、英国最高裁への上告に動くところであった。そして今回両社のクロスライセン契約が成立し、米国ITCを含め世界中の係属中のほとんどの訴訟が取り下げられることとなった。


グローバルな影響

この訴訟は、複数国で並行して進行しており、特許侵害やFRAND条件設定に関する国際的な法的基準にも大きな影響を与えている。特に、外国訴訟差止命令(ASI)の適用やその限界について重要な議論が行われている。特に英国と米国の動きに注目して解説する。


主な争点

1. Ericssonの主張:

• LenovoがEricssonの5G関連SEP4件の米国特許を侵害している。

• Lenovoが誠実な交渉を怠り、FRAND義務に違反している。

• 米国裁判所(Eastern District of North Carolina,EDNC)に対し、Ericssonの提示したライセンス条件(1台あたり1%のロイヤルティ、上限4ドル)がFRANDであることの確認を求めた。このレートはEricsson v. HTC, 5th Cir. 31 August, 2021で4GロイヤリティとしてFRANDと認められていたレート。Lenovoは対して一台23セントを提示していた。なお、North CarolinaはLenovoの米国本社所在地。 EDNCに続いてITCでの提訴した。


2. Lenovoの反訴:

  • EricssonがLenovoのSEP4件を侵害している。

  • 南米(ブラジルとコロンビア)の裁判所でエリクソンが獲得した差止命令(コロンビア2023年12月13日、ブラジル原審2023年11月27日、控訴審2024年8月7日)がFRAND義務に反すると主張し、その執行を禁止するよう訴訟差止命令(ASI)を米国裁判所に求めた。

  • 2024年2月Lenovoの子会社のMotorolaがUPCミュンヘン支部に侵害訴訟を提起 case IDs: ACT_5326/2024 and ACT_5324/2024 and ACT_47298/2024). もっとも全欧での差止命令は英国訴訟を考慮し、求めなかった。 UPCはその後EP758の審理を3月12日から2025年5月6日に変更した。


米国と英国の判決

(米国での紛争を英国から「粉砕」しようとするLenovoの戦略)


米国地裁 (原審)(EDNC)での判断:

外国での差止のリスクに直面したLenovoが申し立てた外国訴訟差止命令(ASI)をめぐり、原審はMicrosoft v. Motorola(9th. Cir. 2012年9月28日)で定立されたASIの3要件の第1要件のなかの第1論点は充足するが、米国訴訟が外国訴訟を解決するものの第2論点を充足していないと判断し、申立てを却下した。地裁はEricssonの提示したレートがFRANDに準拠している場合、Lenovoにはそれを受け入れるか・拒否するかの選択肢があるとも判示した。


米国連邦巡回控訴裁判所(控訴審)CAFCの判決 2024.10.24

2023年12月14日 Lenovo はEricssonに対して反訴。EricssonがLenovoの4件のSEPを侵害していると主張。

2023年12月29日 Lenovoはさらにコロンビア、ブラジルでの差止命令に対するASIを申し立てた


2024年10月24日 CAFCは、地裁の判断に同意せず、ASIの第1要件はすべて充足されているとして、第2要件(外国訴訟の国内への阻害、権利濫用)、第3要件(国際礼譲)をさらに審理すべきとした。さらにCAFCは原審がEricssonの(ETSIのIPRポリシー)誠実交渉義務を履行したかを判断していなかったとして、地裁のASI申立却下の決定を取り消し、原審に差し戻した。Telefonaktiebolaget LM Ericsson, et al. v. Lenovo (United States), Inc., Case No. 24-1515 (Fed. Cir. Oct. 24, 2024) (Prost, Lourie, Reyna, JJ.)https://cafc.uscourts.gov/opinions-orders/24-1515.OPINION.10-24-2024_2408080.pdf


英国

英国High Court(原審)

Ericssonの米国訴訟提起の2日後2023年10月13日、Lenovoは英国で訴訟を提起し、グローバルなFRANDレートの決定を求めた(Lenovo v. Ericsson[2024]EWHC 846(Ch)https://www.bailii.org/ew/cases/EWHC/Ch/2024/846.html

さらにLenovoはEricssonが1件のLenovo特許を侵害しているとしてinterim injunction(暫定差止命令)を提起したが、英国裁判所は「裏口のASI」であるとしてこれを認めなかった([2024] EWHC 1267 (Ch))。Ericsson有利の判決。


英国CoA(控訴裁判所)LJ Arnoldでの判断:

英国におけるFRANDレート決定を重視する控訴院は原審の判断を認めず、一転2025年2月28日EricssonがFRAND義務を履行せず、「ライセンス提供に消極的」であると判断し、Interim licenseを認めた。[2025] EWCA Civ 182

この判決はLenovoに有利な内容だった。Ericssonは英国裁判所のライセンス

決定にコミットせず、米国手続きに専念していた。




参考関連情報

米国地裁での訴訟経過とCAFCの判断とASIについては

  • 中所 昌司弁護士(LES2025年3月号, P. 76-86)LES JAPAN NEWS, Vol.66, No.1, Marchが詳しい。現在外部記事リンクはないが、後日リンクを開きたい。

  • 深見特許事務所(2025年1月8日) https://www.fukamipat.gr.jp/region_ip/12856/


英国訴訟については

  • 同 中所 昌司LES記事


両社の和解については

2025.04.03 JUVE

Cross-licence agreement ends global dispute between Ericsson and Lenovo


2025.04.04 Global Legal Post

Lenovo and Ericsson enter into SEP licensing agreement ending global litigation



 
 
 

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