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(米国)IEEE 2015 IPポリシーへの会員アンケート締切近づく Approaching deadline for “Call for comments on IEEE IP policy” 

更新日:2021年10月12日

2021年10月9日ブログ


国際標準化団体IEEE(注)は現行IPR Policyを改訂すべきかどうかを判断するため会員対象のコメント募集(Call for comments)を8月21日から募集しており、その締切が10月15日となった。今回のコメント募集はIEEE会員のみが回答できるが、質問内容がきわめて興味ぶかいものであった。藤野仁三氏(藤野IPマネージメント)より解説メモをいただいたので紹介する。

 (注)Institute of Electrical and Electronics Engineers 米国電気電子技術者協会,WiFiの規格である802.11などの標準規格を策定している


である。

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藤野メモ【今回のコメント募集について】

IEEEが司法省(DOJ)からBRLで問題なしとされたBusiness Review Letterを2015年2月に得た。それを受けて同年3月に特許ポリシーを改訂しました。その特許ポリシー改訂版のポイントは:

①合理的実施料率の算定において、最小販売規格適合製品に貢献する価値を考慮すること

②標準規格の全SEPが貢献する価値を勘案した上でSEPの価値を考慮すること

③差止請求は原則的には認めないこと

④FRAND宣言の義務は必須特許の全ての譲受人、移転先を拘束すること

⑤FRAND宣言者は互恵主義を選択できること

その後、2015年のBRLがIEEEの特許ポリシーを司法省が承認したと誤って解釈されているという産業界等の懸念に対処するため、司法省は補足のBRLを2020年9月に公表したので、IEEEは現在の特許ポリシーを更に改訂すべきか、改訂するとしたらどのように改訂するかにつきコメントを求めたものです。

今回、具体的には次の3つの選択肢について意見を求めている。

1. IEEEの2015年特許ポリシーを変更しない、

2. (a)特許ポリシーの禁止命令に関する全ての条項を削除する、及び/又は、(b)合理的な実施料率の定義に含まれる選択的な要素を一部削除する、

3.次の方法で以前よりも多くの選択肢を提供する 

(1) LOA提出者が、現在の特許ポリシーの文言に従って禁止命令を求めるどうかを選択できるようにする

(2) 合理的な実施料率の定義に含まれる要素を選択できることを明瞭化する

引用おわり

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参考論文【IEEEにおける対立の背景と分析】

IEEEにおけるIPポリシーをめぐる対立はながらく深刻な事態が続いている。藤野メモにもあるように2015年の改定IPポリシーに同意しない権利者は多く、改訂前のIPポリシーでの必須特許宣言と、改定後のIPポリシーでの必須特許宣言が混在し、7割は旧ポリシーに基づくという異常事態となっていた。この間の詳しい事情について福岡則子(パナソニック)「標準と知財のバランスー標準化団体におけるIPR Policyをめぐる対立と議論から見えるもの」日本知財学会(第17巻第3号 標準必須特許特集号 2021-03)が詳しい。同論文を添付する。






 
 
 

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