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InterDigital v Lenovo 英国控訴審判決 Global FRAND rate in UK appeal court

更新日:7月15日

英国でグローバルFRANDレートを巡る2つ目の重要判決があった。

InterDigital v. Lenovo  英国控訴審判決 [2024]EWCA Civ 743

2024年7月12日 The Court of Appeal judges, Lord Justices Arnold, Nugee and Birss,


1)損害賠償額の算定

原審(London High Court)での基本的な枠組みを踏襲しながら、原審が採用したLGとIDCとの契約との再検討などを行い、損害賠償額に増額修正をおこなった。その結果原審での5GのSEPポートフォリに対する損害賠償額$138.7mil が今回$178.3milとなった。これに複利4%の利子を加えると総額で約$240milとなる。また一台あたりロイヤリティは$0.225となった(§284)。

なお今回の増額判決はInterDigitalの要求額 $337milプラス金利4%=$517.8mil、 一台あたりロイヤリティ$0.489とは差がある(§46)。

一方Lenovoの主張は$80mil ±15%であった(§47)


計算方式の変更においては

  • 除斥期間に関わらず、Lenovoはすべて過去販売分のロイヤリティを支払う事がFRANDである–  Lenovoに2007年から2023年の販売分への支払いを命じる

  • 過去のセールスに対する割引のLenovo要求はFRANDとはいえない

  • 未払いの過去分のロイヤルティに対し利息(複利4%)は支払われるべき、Lenovoの主張の単利2%を退ける

と判示された。


2)ロイヤリティ決定方式

今回の判例はFRANDロイヤリティの決定についてComparable方式を裏付けるものとなっている。


3)その他

原審がInterDigitalがLGの契約とのcomparable license methodで進んだこと対して、控訴審ではInterDigitalはTop-downのcross checkを主張したものの、結局認められなかった。 “I agree with the judge that the comparable analysis is a much more reliable basis for estimating FRAND than InterDigital’s top-down cross-check,” (p.83, §286)。


本情報は在英国の日高誓子弁護士(Gowling WLG)の提供情報をもとに再構成の上報じた。後日詳細検討を実施予定である。



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