Panasonic UPCでOPPOに勝訴、UPC初のSEP差止認容 First FRAND Ruling in UPC Mannheim LD
- toshifutamata0
- 2024年11月23日
- 読了時間: 3分
更新日:2024年11月24日
Panasonic は欧州(UPC, 英国、ドイツ)で行っていたPanasonic v. Xiaomi(小米)の3G, 4G規格製品を巡る侵害訴訟について英国控訴審での判決を受け、和解条件の詰めを行ってますが、一方で同時に進行していたPanaconic v. OPPOについては英国控訴審判決のあと、両社が和解に入ることが原則的に合意されていたものの、その後両社の和解交渉条件が整わないなか、UPC審理のSTAY(中断)をOPPOは統一裁判所UPCマンハイム支部(LD)に求めた。マンハイムLDはこの申立てを却下する一方侵害訴訟についてはPanasonicの主張を認め、Panasonic勝訴の FRAND 判決(OPPOスマホおよびスマートウオッチの差止とパナソニックの提案レートはFRANDであること)を認めた。
差止される国はドイツ、フランス、イタリア、オランダ、スウエーデン(P.17, 13)。さらにOPPOは暫定の損害賠償金(vorläufigen Schadenersatz)として25万ユーロを支払う(P.9 VII)。ミュンヘン高裁判決(6 U 3824/22)に欧州委員会から出されていたSEP権利者に厳しい見解を寄せたAmicus Curiaeも一応今回の判決のなかでは考慮されているとのべている(p.19, 19,20)。FRANDレートについてはOPPOは地域ごとのFRANDレートの設定を主張していたが、UPCはOPPOの主張を退け、Panasonicのglobal rateの主張を認めた(p.27, 67; P.28,72;p.96, 249)
判決文のまだ詳細な検討は完了していないが、今後日本語への訳文や、論考などがあらわれてきたらさらに紹介をしたい。
UPCマンハイムLDの判決文
判決原文(ドイツ語)全104ページ

Photo: UPC HP
関連する報道、コメント
1)業界誌JUVE Pantentの報道リンクは以下の通り。
2)さらにSEPに詳しい松永章吾弁護士(ゾンデルホフ&アインゼル法律特許事務所)のコメントもいただいているので引用する。
「UPCマンハイム地方部が、12月6日の予定を繰り上げてUPC初のFRAND差止判決を言渡しました。既に当事者間では訴訟外での和解が成立していると報道されていますが、裁判所は、OPPO Find X5 Proなどの4G対応スマートフォンやスマートウォッチの販売差止とともに、OPPOに25万ユーロの仮の損害賠償金の支払いを命じました。そしてHuawei v. ZTE事件欧州司法裁判所判決の解釈を詳細に示すとともに、UPCと英国裁判所との関係や欧州委員会のアミカス・キュリエブリーフの内容にも言及しています。
注目すべき点は、マンハイム地方部がFRAND抗弁の判断においてECアミカス・キュリエ・ブリーフよりも権利者に有利に欧州司法裁判所判決(Huawei v. ZTE事件判決)の解釈を示したことです。裁判体を構成する3名の裁判官のうち2名はドイツ、1名はオランダの裁判官であることから、予想されていたことではありますが、ドイツ色の強い判断となりました。」
3)知財専門誌IPFRAYも詳しく今回の事案を報じている。
同誌はTochterman裁判長の突然の発表に対してUPC公表の時間軸上の手続の不備を強く批判している。
筆者としては、今回の事案のようにUPC, 英国、あるいはEUからのアミカスブリーフなどが短期間の間に交信が多数交錯するなかでの手続的不備への批判はやや失当と考えている。
Comments