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(欧州)SEPライセンス交渉グループ(LNG)の論点について(FOSSブログ紹介) SEP Licensing Negotiation Groups discussion

更新日:2021年8月2日

FOSSブログは知財ブログのなかでもアクセス数の多さと影響力を誇るが、今回興味深い記事が出たので紹介する。筆者Florian Mueller氏はSEPについてLTA(License to All)の論者として知られ(注1)、車産業からもその論点で支持があったが、今回LNG(実施者の交渉カルテル)について一転して批判記事を連載して業界で話題となっている。

なおLNGの論点は日本の経済産業省SEPライセンス取引環境の研究会でも中間整理報告書(注2)に今後の論点として記載されているが、本FOSSブログのPart3の後半にも経産省での議論についても興味深いことに言及があった。

 (注1)Part3でFOSSは”Car-level licensing has won; component-level licensing will still happen in some cases. For my credibility's sake I have to tell it like it is.”と述べ、LTAの敗北を認めている。

 (注2)METI報告書(概要)P.4 複数企業による共同ライセンス交渉について


LNGの論点は、パテントプールで権利者が集まると同様に、実施者が集まって交渉グループをつくるというカーメーカーからの提案で、さきのEU SEP Expert Group Report(https://ec.europa.eu/docsroom/documents/45218)でも提案75として取り上げられ、LNG主張の中心であったフォルクスワーゲン(Uwe Wiesner 氏)が欧州委員会のSEP Webinarシリーズでプレゼンテーションを行っていた(2021-04-20)。

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FOSSブログから Licensing Negotiation Groups

PART 1  2021年7月24日

Analogy to patent pools entails false symmetry between facilitating and complicating automotive patent licenses LNGとパテントプールを単純化してシンメトリーに考えるのは複雑な車関連の特許ライセンスにおいては大きな誤解(false symmetry)


PART 2  2021年7月26日

Justice delayed is justice denied when unwilling licensees can hide behind a consensus-building effort

Unwillingなライセンシーが合意形成の努力の背後に隠れることができる場合、正義の遅れは正義の否定

  • ライセンシーがUnwillingか否かを決めることは裁判所にとり極めて重要な判断であるが、LNGが法制化するとLNG内部でのコンセンサスづくりには時間がかかり、誰が遅延させているかも見えなくさせてしまう。

  • LNGはグループ代表交渉者を置くが、当然主張は極論となり、二者間交渉とは異なり合意にはなかなか到らないであろう。


PART 3 2021年7月27日

Legalization of buyers' cartels would invite group boycott and collective hold-out

LNGの法制化はグループボイコットや集団的hold-outを招く。VWは横断的なLNGだけでなく、垂直的なLNGを提案するが、これは二重のカルテルと言える。

引用終わり


 
 
 

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