中国がパテントプールのグローバル料率を決めるという中国最高人民法院の判決(注)で注目を集めていたパテントプールAccess Advanceの事案が決着した。
(注)2024, 最高法知民终 88 号
11月3日 Access AdvanceとTCL 及びのうち深圳をベースとする17社のライセンシーがライセンス料を巡り和解した。Access Advance のHEVC patent poolのライセンシーは全体で349社ある(list of licensees)。
これにより最高人民法院が深圳中級人民法院に命じていたプールライセンス料率の裁定は行われなくなった。
米国知財専門家Mark Cohen のブログ China IPR(11月4日付)
今回の背景
Access Advance(AA)はHEVC/H.265 ビデオ圧縮規格のパテントプール管理会社で最大手でもある。https://accessadvance.com/ja/%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%B9-%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%A0/hevc-advance/
そのライセンス条件を巡りTCLはドイツや中国で争っていたが、パテントプールのレートを決定する求めを中国最高人民法院(SPC)に行なっていた。SPCはTCLの主張を認めGlobal FRAND rateを決定する権限が中国にあると判示し、その裁定を下級審に指示した(注)。この判決に対しては米国はじめ関係者からパテントプールという多数の権利者がいる仕組みの破壊にあたるとし、中国が一部の実施者の参画でGlobal FRAND Rateを決定することに強い反発がでていた。AAのライセンシーは350社近くある。
米国からもAmicus Briefタイプの意見書が深圳中級人民法院に提出された(English.)
その他 参考ブログ
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