欧州新SEP法案日本語訳 EU SEP Reg. Japanese translation
- toshifutamata0
- 2024年3月7日
- 読了時間: 2分
更新日:2024年3月8日
2月28日に欧州議会第一読会(first reading)で可決されたSEP法案をめぐってその最終内容で一部の専門誌でも混乱した報道があるので最終版を整理する。混乱の原因は膨大な数の修正提案が存在したことである。
・AMENDMENTS 001-268 by the Committee on Legal Affairs
・AMENDMENTS 269-278 by Alessandra Basso, Gilles Lebreton on behalf of the ID Group
・AMENDMENTS 279-327 by Adrián Vázquez Lázara et al.
そのなかで今回可決されたものは Amendments 001-268 (the JURI amendments) で、いわゆるBasso修正と Lázara修正は承認されなかった。
欧州議会からは修正との対比表を織り込んだ英文対比表(全105ページ)が発表されており、“(Text Adopted)P9_TA(2024)0100 Standard essential patents”
である。左側が原文、右側が修正版(削除、加筆)で、修正提案番号との紐付けが行われている。
今回の可決法案はとくに前文Recitalで多数の修正(削除、追加)が行われており、激論の様子が窺える。前文だけでも修正内容が52項目にわたり本文のように詳しく書かれている。対象となるSEPの定義(追加)、License to All(追加)、累積ロイヤリティ、必須判定の費用(削除)、必須判定の再実施(追加)、SEP登録簿からの削除(削除)、FRAND決定手続き(修正)、NPEに対する制限(追加)、一定期間訴訟提起禁止(修正)、調停不調時の扱いなど多数に上る。本文にはさらに多数の修正が加えられている。
発表された対比表も修正項目が多いため大変見づらいが、今回パナソニック IP マネジメント IP エグゼクティブエキスパート(弁理士)高橋 弘史氏が整理いただい上で日本語の仮訳を作成提供いただいた。
2023年4月27日公表の原案をもとに、2024年2月28日に欧州議会で可決された修正案として比較して、日本語版では削除箇所は取消線、追加箇所は赤字で表記している。
同氏のご厚意によりPDF版を添付させていただくがご尽力に深謝したい。
今後の予定としてはthe Trilogue(3者協議)が欧州委員会、欧州議会、EU理事会で行われ、討議修正などが行われる。その開催時期は6月6日〜9日に行われる欧州議員選挙の後と見られる。
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