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(論考)SEPと消尽 (Discussion) SEP and Exhaustion

更新日:2024年11月2日

日本の知財業界で議論が続いているテーマの一つに、モノからコトの時代になって変容を求められている「消尽」を巡る議論がある。特にIoTで広く利用されるSEPとの関係で議論されるようになっている。この議論はすでに2020年7月特許制度小委員会で消尽に関する制度的解決を図るべく検討を開始したが結局決着できなかった。その間実務では「モノ」に閉じた求償という硬直した特許補償契約のもとで、ベンダーからの強い圧力にさらされたサプライアー(たとえばtier2, 3など)が事業の存続を諦める事態も出ている。

 

グローバルにはたとえばドイツの2010年MPEG-2判例や米国の2008年Quanta v LG判決以降、消尽理論の整合性が確保されているが、日本では取引の安全などを理由に消尽すべきという反対意見が根強い(佐藤英二郎「SEPと特許権の消尽」パテント2024 Vol.77 No.5, 別冊No.30)。このモノ中心の主張を推し進めると、たとえばモノであるクアルコムのチップを使えば5G技術は全て「消尽」されるや、ファーウエイのチップを使えばWiFi-6技術は全て「消尽」されると言った極論となるのではなかろうか。

 

今回SEPと消尽をめぐる議論について詳しい松永章吾弁護士・弁理士(ゾンデルホフ&アインゼル法律特許事務所)が10月12日特許庁所管のセミナーで「IoTサプライチェーン保護のための消尽の迂回制度の必要性」と題する講演をされたので、そのプレゼンテーション資料を紹介する。https://se1910.com/ja/20240802-2-2/ 


なお、重冨貴光弁護士(大江橋)の2022年論文(パテント誌)Vol.75 No.11(別冊no.27)も極めて示唆に富む提案がされているのであわせて紹介する。「方法特許の消尽論〜「モノ」から「コト」への産業構造変化を踏まえて」


さらにもう一本関連論文を紹介する。

「IoT時代における特許権の消尽について-実務家の立場から-」

高橋弘史IPエグゼクティブエキスパート(パナソニック)

IPジャーナル21号(2022.06)


 



 
 
 

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