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 (速報)EU, 中国ASIをめぐるWTOパネルで敗北、控訴 EU Appeals in WTO on China’s ASI

中国の知財権行使でASI(禁訴令)判決を巡りEUはこれまでWTOに2つの申立をおこない、WTOで協議が行われてきた。その協議をもとにパネルレポートが発表され、EUの主張が認められなかったことから、EUは4月22日控訴手続に入った。

控訴結果は2025年7月下旬に発表される予定である。

(注)WTO手続は正確には裁判手続ではないので「控訴」ではないが、便宜上



使った。

 

DS611:China-IPRs Enforcement

2021年7月6日中国で多発したASI事案をめぐりEUがWTOに提訴した。その趣旨は(1)中国での判例が開示されないことによる透明性確保の義務違反(TRIPS63条)

(2)中国の判決により他国の訴権が害されたこと(TRIPS1.1条)

であった。

 

DS632: Worldwide Licensing Terms for SEPs. 中国の裁判所が、当事者の同意を得ないまま、SEP Global rateを決定した。特にOPPO 対 Nokia 事件での重慶第一中級人⺠法院判決(2023 年 11 月) を問題視し、その船団的な設定によりFRAND

交渉の自由が阻害されたとDSU紛争解決上の協議Consultationを2025年1月20日要請した。

 

今回WTOパネルがEUが特に問題視するDS632に関する主張を認めなかったことから、EUは控訴にあたる手続を行なった。

ただし、現在WTOにおける控訴手続メカニズムは、米国の反発のなかで破綻しているため、EUはそれに代替する控訴メカニズムのMPIA(多国間紛争解決協定)ルートで争うことにした。

 

EUの控訴公式発表(2025年4月22日)

 

中国商務部(MOFOM)の反論を報道する北京吴征ブログ(同4月23日)

 

Michael Ma’s Blog(英語版)4月23日付

EU Files Appeal Arbitration in WTO Dispute with China over SEP Injunctions; Chinese Ministry of Commerce Responds


付録:WTO経過


2022年2月22日Consultations Request

2022年12月7日 Panel requested

2023年1月27日 Panel established

2023年3月28日 Panel composedグループ構成

2023年6月8日 EUの第1回書面提出

2023年11月20日 EUが専門家Gからの質問に対する回答

2024年1月15日 EUの第2回書面提出

2024年3月25日 EUが専門家Gからの質問に対する回答

2024年後半までに委員会レポートが終了予定と発表

2025年2月21日付 パネルからのFinal Report

2025年4月4日 パネルワークの停止

2025年4月22日 Panel Reportに対する控訴

 

 
 
 

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