top of page
検索

(韓) Qualcommの韓国最高裁での敗訴確定 Korean Supreme Court upholds Qualcomm fine

韓国ではクアルコムのモデムチップについてSEP、Non-SEPのポートフォリオのライセンスをめぐり二つの係争(2009年事案、2017年事案)がある。後者は2017年1月韓国公正取引委員会(KFTC)がクアルコムに命じたライセンス条件の是正命令と課徴金(1兆ウォン、約1000億円相当)を不服とするクアルコムと、ソウル高等裁判所が是正命令の一部を認めなかったことを不服とするKFTCの双方が、最高裁判所にそれぞれ2019年12月19日と23日に上告を行った事案である。


最高裁判所における審理は約3年4ヶ月続いたが、今回(4月13日)最高裁判所は双方の上告を棄却し、課徴金は是認した上、是正命令については一部を取り消した2審判決を維持することとなった。今回の課徴金は韓国では史上最高額となる。


2019年12月4日のソウル高等裁判所判示では 行為1,2が違法で、行為3は適法であるとされた。

  1. ライセンスの拒絶(Refusal to License):違法

  2. ノーライセンス・ノーチップ(No license, No chip):違法

  3. ライセンス条件(License Terms):合法

行為3について、クアルコムのライセンス条件では、ロイヤルティー算定の基準をチップセットでなく、端末とした上、無償グラントバックを契約の条件として、クアルコムを中心とする「特許の傘」を築き上げた行為がある。

KFTCのコメント

今回の判決は、市場支配的地位を有する事業者がFRAND義務を認知しながらも、標準必須特許市場およびモデムチップセット市場で独占的地位を維持・拡張するために反競争的事業構造を構築し、こうした事業構造が関連市場で競争制限の効果を引き起こし、市場を独占することは違法であることを明らかにしたという点で重要な意味がある。


Qualcommのコメント

クアルコム側は「判決を謙虚に受け入れる」とし、「韓国及びパートナー企業とのビジネス関係を成長し続けることを期待する」と述べた。

本解説作成にあたってはSehwan CHOI 韓国 第一特許法人(FirstLaw P.C.)弁理士・工学博士からの情報をもとに作成された。


参考文献

[韓国におけるクアルコムの独禁法違反事件〜2つの独禁法事案からみえるもの」二又俊文・Sehwan CHOI. LES Japan News Vol.60 No.4 December 2019, p.20-32




 
 
 

最新記事

すべて表示
自民党知財戦略提言を読む――欠けていた「SEP」という一語 LDP's IP & Standards Proposal: Everything but SEP

June 29, 2026 by Toshi Futamata 1. 提言の概要(ファクト) 2026年6月25日、自由民主党知的財産戦略調査会は、知財戦略を成長戦略および経済安全保障政策の「根幹」に位置づける提言を取りまとめ、内閣総理大臣に申し入れた(提言本体は令和8年5月26日付)。キャッチコピーは「ビジネスで勝つ知財へ」。出発点となる問題意識は、日本がこれまで繰り返してきた「技術で勝ってビジ

 
 
 
Huawei、Wi-Fi 7レートを発表—その背景 Huawei's Wi-Fi 7 Rate: Transparency, Pools, and the Litigation Behind It

June 26,2026 by Toshi futamata Wi-Fiの現在の主流はWi-Fi 6であり、Wi-Fi 7の消費者向け実装が本格化するのは2027〜2028年頃と見られている。それに先行して、2026年はキャリア層でWi-Fi 7の採用が加速する年と位置付けられている。 2026年6月18日、Huaweiはサンディエゴで開催されたIPBC Global 2026の場で、コンスーマー

 
 
 

コメント


今年も年一回のグローバルSEPワークショップが、日本弁理士会との共催で実施されました

© SEP Research Group in Japan created with Wix.com

bottom of page