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(中)中国5G+SEP最新報告書(続報)China 5G+ SEP Report of CAICT

JETRO香港の松本部長より貴重な中国情報の提供を受けたので紹介する。

中国にとり5Gに続く5G+(5G Advanced)はこれからの重要戦略分野であり、この分野でのライセンスや訴訟やパテントプールの行方を考えるため最新動向をまとめたレポートがCAICT(中国信通院)から発表された。この報告書については当ブログでも本年5月13日に紹介したが、今回の12月版報告書はその半年後のUPDATE版である。

CAICTは中国にとっても重要なICT分野で活発に活動する重要な研究機関であり、5Gや5G+あるいは自動運転などフロンティア技術などさまざまな分析・戦略レポートを出している。今回の発表は同研究院IMT-2020(5G)推進組から行われた。原文のリンクはhttp://www.caict.ac.cn/kxyj/qwfb/ztbg/202112/t20211227_394644.htmである


松本部長からの以下の紹介メモもいただいた。

「注目される点は以下の通り:

・前回版(2021年3月版)から引き続き、実施者寄りの表現が多い。例えば、5Gの料率を4Gの料率より高くすべきでないことや、権利者の権利濫用への対策強化について明確に提言している。

・前回版と異なる点として、ASI(禁訴令)やグローバルライセンス料率判断に関する司法管轄問題と中国の国際司法ガバナンス強化について多く取り上げられている。

・日本の取組みとして、経済産業省WGの中間報告書、知財本部の推進計画、特許庁の手引き改訂の動きを取り上げるなど、日米欧をはじめとする各国の政策動向に注意を払っていることがうかがえる。」

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松本情報をもとに、ブログ筆者は全文を読ませていただいた。全体として最新の世界各国のSEP状況をかなり詳細に把握しており、かつ内容も正確であった。松本氏も指摘しているように日本についても詳しく情報を収集している。いずれ日本語訳が出されると思うが御関心の方はグーグル翻訳で読まれることをおすすめする。

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本報告書の目次と要旨のみ日本語仮訳をつける。原文はhttp://www.caict.ac.cn/kxyj/qwfb/ztbg/202112/t20211227_394644.htm

「5G+産業標準必要専利発展最新動向」 2021年12月 IMT-2020(5G)推進組


目次

一、5G+産業のSEPの最新動向

 (一)業界を跨ぐライセンス問題が各方面で注目

 (二)異なる司法管轄での激しい競争

 (三)NPE のリスクを防ぐ必要性

二、主要国におけるSEPに関する制度の動向

 (一)米国におけるSEPの国際競争における戦略的意義のたかまり

 (二)欧州におけるSEPに関するルールの緻密化

 (三)日本におけるSEPライセンス交渉の指導強化

  (四)韓国における自国のSEPの競争力向上を期待したガイドライン作成

  (五)インドにおける複数の施策を通じたSEP問題への対応

  (六)中国におけるSEPガバナンス方策への積極的な貢献

三、SEP関係主体の動向観察  (一)5G 携帯電話端末のSEPライセンスの最新動向

 (二)インテリジェントネットワーク自動車領域におけるSEPライセンス の最新動向  (三) 5G+マルチメディア領域におけるSEPライセンス最新動向

四、5G+産業発展の新しい仕組みの積極的な構築

 (一)積極的に対話し、市場主体の力を十分に発揮する

(二)探索し、協調して(訳注:中国にとって)適切なライセンスモデルを確立する

 (三)効果的に業界の協同発展の新しい構造をリードし構築する


要旨

5G は正式に商用とされてから、新型インフラの重要な構成部分として、すでに情報通信領域から工業、医療、交通、エネルギーなどの多くの業界に拡大し、5G+ 産業がそれに応じて生まれ、伝統産業のデジタル化、ネットワーク化及び知能化への転換を加速している。しかし同時に、移動通信分野のSEP紛争も次第に 5G+産業にひろがり、グローバルでSEP訴訟が起きている。2021 年、5G+産業のSEPライセンサーは比較的活発で、全体的に下記の特徴を呈した:

SEP問題は全体的に複雑化、専門化の発展動向を示している。2021年、権利者と特許実施者の間の紛争は依然として頻繁に発生しており、双方の相違の修復にはまだ時間を要する。一方、NPEは 5G+産業分野で積極的に訴訟を展開提起しており、産業にもたらすリスクは依然として軽視できない。司法面では 2021 年にSEPライセンスでの差止命令の請求が更に多様化し、国外裁判所による差止命令が更に頻繁に行われるようになり、形式も更に多様になっている。

5G+産業のSEPはアメリカ、ヨーロッパ、日本、韓国、インド、中国の企業の重点関心問題になり、SEP関連主体も5G+産業のSEPライセンスルートの探索を加速した。政府レベルでは、アメリカは絶えずSEPの国際競争における戦略的意義を強化している。EUは絶えずそのSEP特許の関連規則を緻密化している。日本はSEPライセンス交渉に対する指導を強化している。韓国はガイドラインを制定して自国のSEPの競争力を高めることを望んでいる。インドは多くの措置を通じてSEPに対応している。中国は権利者と実施者の利益のバランスを維持することを重視し、SEPのガバナンス方策で積極的に貢献している。企業レベルでは、一部のSEP権利者はおのおの 5G 携帯電話端末に対するSEPロイヤリティを公開声明している。コネクテッドカー分野のSEPパテントプールの数量が増加している。マルチメディア分野では多くのパテントプールが併存し、SEPライセンス問題はますます複雑になって いる。

SEPは有効にイノベーションをリードする作用を発揮すべきであり、5G+ 産業発展の新しい構造をサポートすべきである。そのためには第一に、積極的に対話し、市場主体の力を十分に発揮することである。5G+産業における異なる細分割された業界のサプライチェーン構造、価値創造の仕組みおよび収益化構造などは相違が存在し、かつSEPライセンスの FRAND 原則自体は一定の曖昧性と弾力性があり、このことで異なる産業主体がSEPの包摂及び具体的な適用に対する理解の相違を招く。既存の業界対話プラットフォームを利用し、異なる業界間 の意思疎通と交流を強化し、共同で産業の健康的な発展に有利なライセンスエコシステム環境を構築すべきである。第二に、共同で探索し、協力して適切なライセンスモデルを確立すべきである。5G 業界の累積料率は 4G 業界の従来の累積料率より高くないことを充分に考慮すべきである。SEPライセンス料は技術の製品の実際価値に対する貢献、技術が関連する知的財産権の市場価値、特許料累積などの要素を充分に考慮すべきである。SEPライセンスの当事者双方が自発的に 多様化の協力方式と実践を探索することを奨励する。第三に、業界の協調的発展の ための新しいパターンを効果的に導き構築することである。産業開発の促進にお けるSEPの役割を十分に発揮し、イノベーション主体の貢献を尊重すると同時に、SEP保有者による権利の濫用を回避すべきであり、司法の面からは、知財案件の審理のための特別な手順を研究・策定し、SEPの適用 に関連する問題などを明確にすべきである。

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(ブログ筆者注)CAICT中国信息通信研究院(工信部电信研究院,略して中国信通院)

同院は工業和信息化部の直属の研究機関でICT分野の重要な国家的支援を担当する。1957年設立。China Academy of Information and Communications Technology。日本で言えば、経産省と総務省が一体になった省庁の直下の機関で、名称としては情報通信研究機構(NICT)が近いかもしれない。ただ、中国CAICTは極めて国や企業に寄り添った調査をおこなっており、特許分析までも行いながら、技術開発方向へのアドバイスなども踏み込んでおこなっている。その一例に本報告書と同時期(2021年12月19日)に発表された2012年から2019年までの「5Gと自動運転」という2つの相携えたフロンティア技術の特許出願状況に関する分析レポートを上げたい。分析対象は全世界30,447件、ファミリー数16,417 件である。国と地方機関が技術基準と法整備に向かうための具体的な指針となる資料を提供している。大変有益な内容が含まれており、中国関係機関、企業にとっては有益な資料であろう。https://mp.weixin.qq.com/s/EF83mmPWlWFyulYQk-Exzg

Photo: Wix

 
 
 

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