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(日本)注目される「消尽」の議論ーIoT時代における特許法 Exhaustion doctrine in IoT era

AI・IoT時代に入りビジネス環境が変化し、ビジネスの中心がモノからコトに重点が移行するなか、従来の特許法上の「実施」の概念や、「消尽」の概念の新たな整理が必要となってきている。そこで本年度の特許庁の産業構造審議会知的財産分科会(議事要旨https://www.jpo.go.jp/resources/shingikai/sangyo-kouzou/shousai/chizai_bunkakai/16-gijiyoushi.html)で、議題の一つで消尽が議論されている。


まず特許庁からその議論の背景について述べられているので引用する。

—議事要旨からの引用—————

(3)IoT時代の特許制度の在り方について

· AI・IoT技術の時代にふさわしい特許制度の在り方について早急に議論を進め、日本が世界でリーダーシップを取れるよう施策を講じてほしい。韓国では実用新案法が改正されたが、このような新しい形態の知的財産保護について早急に検討して頂きたい。

· 消尽については事実関係をしっかりと踏まえた議論が必要。

· 現在の消尽法理は、権利の効力の範囲を定める法理という位置付け。権利者の意思による効果を議論するのであれば消尽法理の根幹にも関わる。どのような場合に権利者に利益を還元させる必要があるのか色々な事例を精査すべき。

· 知財の価値を上げるには特許権者においてより自由に権利活用できる環境が肝要であり、国としての在り方の観点も重要。

· IoT時代では物に拘らず特に「価値」をキャプチャしてお金に変えていくことが肝要だが、このような観点から知財制度の在り方を検討することは日本の競争力の観点からも重要。

—引用おわり—————


6月28日開かれた産構審での議論に関して、特許庁からの説明資料:「知財エコシステムの自律に向けた中長期的課題」4.6MBは中身の濃いもので、

https://www.jpo.go.jp/resources/shingikai/sangyo-kouzou/shousai/chizai_bunkakai/document/16-shiryou/01.pdf として公開されている。消尽についてはP.56, P.57あたりを中心に詳しく述べられている。

産構審での第16回議事録(速記録)も同時に公開されており、興味深い議論が伺える。https://www.jpo.go.jp/resources/shingikai/sangyo-kouzou/shousai/chizai_bunkakai/document/index/16_gijiroku.pdf

3人の委員が消尽について意見を述べているが、この議論については自動車業界から強い反発があり、モノからコト、あるいはサービスの価値などIoT時代での変化に対する見解におおきな隔たりがあることもわかる。



(追記)日本における消尽の議論と直接の繋がりはないが、英国特許庁(UKIPO)でも消尽に関する意見募集を行っている。こちらはBrexit後の消尽についての議論で、転得者の保護などに関心があるようにも見える。意見募集の締め切りは8月31日


 
 
 

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