(米国)5G-SEP大型訴訟再開。エリクソンがAppleを提訴 Ericsson filed case against Apple
- 二又 俊文
- 2021年10月7日
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2021年10月7日ブログ
【背景】
エリクソンとAppleとは2008年に締結されたライセンス契約が2014年には切れていた。両者のライセンス交渉は続くが、2015年4月にAppleはエリソンが①LTE特許についてFRANDではない過度に高いロイヤリティ(Exessive royalty rate)を請求しており、②エリクソンの特許はすべてがSEPではない、③ロイヤリティについては部品ベースで算出されるべきと主張して北部地区カリフォルニア地裁にあらためて提訴を行った。
一方で過去分についての両者の合意が成立し(12月21日)、精算が行われた。
※合意ロイヤリティの公表はないが、ABG投資銀行の推測ではiPhone, iPadの売価の0.5%がロイヤリティと推測されている。
その後更改ライセンス交渉が続いたが難航した。一方市場では5Gの採用があいつぎ、iPhoneも5Gの対応を行った。
【10月3日提訴】
エリクソンはAppleを10月3日テキサス州東地区地裁に提訴したが、エリクソンはAppleが2019年に発表した”Statement on FRAND licensing”のなかで述べられているSEP権利者に対する過度の義務や、LTO(License to All), SSPPU(smallest saleable patent practicing unit 部品ベースのロイヤリティレート)などに強く反発していた。
Appleの2019FRAND宣言 リンク:https://www.apple.com/legal/intellectual-property/frand/
エリクソンは、Appleがエリクソン特許の全数に対するSEPの必須確認を要求する等の遅延戦術をとっていると非難。Requiring patent owners to prove (to Apple’s satisfaction) every patent to be licensed worldwide is actually essential, infringed, valid and enforceable before Apple will take a license
今回のエリクソンの提訴は、8月31日に第5控訴審でエリクソンがHTC(宏達国際電子)に勝訴した事案(本ブログの8月記事を参照)で、第5地区巡回区控訴審はSSPPUを否定し、かつ非差別条項(N.D.)の厳格な適用も否定したことも重要な背景となっている。
関連報道多数あるが、ロイターの報道(10月6日付)が詳しい。
”Ericsson sues Apple to clear proposed 5G patent licensing rates”

Photo: Wix
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