(韓国)6Gレポート紹介(6Gシリーズその2) Korean 6G report by KISTA(Korea)
- 二又 俊文
- 2021年8月2日
- 読了時間: 3分
更新日:2021年8月3日
SEPでもっとも激戦区である5Gあるいはその次の6G(Beyond 5G)分野についてはすでに本格的な研究がスタートしており、各国の研究機関、企業からあいついで技術レポートが発表されている。本ブログでも5月13日付で中国6G報告書(CAIST report)について取り上げたが(注)、各地からの6Gレポートを順次取り上げたい。
今回は韓国特許戦略開発院標準特許センターが発表した6G分析レポート「次世代移動通信(6G)分野の特許動向と有望な技術」である。KIPOのSEP専門誌(季刊) SEP Inside第30号(2021年6月号)https://biz.kista.re.kr/epcenter/rendReport.do(韓国語)から当該部分の翻訳を韓国の第一特許法人FIRSTLAW P.C.からいただいた。6G分野での主要出願人の動向や、6Gにおける戦略的な技術分野での地域別動向などが書かれている。
なお、韓国特許戦略開発院標準特許センターはEssential Patent Center, Korea Intellectual Property Strategy Agencyで、KISTA(韓国特許戦略開発院)の傘下(英語webサイトhttps://kista.re.kr/?lang=EN)であり、KISTAは韓国特許庁(KIPO)に属する。
「次世代移動通信(6G)分野の特許動向と有望な技術」(pdf全8頁)
関連韓国情報:JETROソウル ビジネス短信より引用
「(韓国)科学技術情報通信部、2025年までの6G研究開発に総額220億円投入」
韓国科学技術情報通信部は6月23日、ソウル市内で「第6世代(6G)戦略会議」を開催し、韓国の次世代通信ネットワークに必要な研究開発施策をまとめた「6G研究開発実行計画」を発表した。戦略会議には、韓国の産官学の代表に加え、在韓米国大使館からロバート・ラプソン臨時代理大使が参加した。
6G研究開発実行計画は「世界最高の6G技術大国」を実現するため、
(1)次世代の核心的基盤技術の確保
(2)国際標準・特許の先取り
(3)研究・産業基盤の構築の3大戦略について、以下の施策を展開している。
次世代核心的基盤技術の確保: 「6G研究開発実行計画」全体では2025年までに2,200億ウォン(約220億円、1ウォン=約0.1円)を投資する計画だ。特に、低軌道衛星通信、超精密ネットワーク技術など、6大重点分野 10大戦略技術(添付資料表参照)に対し、2025年までに総額2,000億ウォン(約200億円)を投資する。また、海外主要国との協力体制を設けるため、米国の国立科学財団(NSF)、中国情報通信研究院(CAICT)、フィンランドのオウル大学などと6G核心技術に対する共同研究や周波数の国際協力を推進し、6Gのリーダーシップ確保に向け、2021年11月に「6G Global」を開催する。
国際標準・特許の先取り:国際標準については、国際標準化機構(ISO)の6Gに関するビジョングループ議長と3GPPのRAN1(注1)議長に韓国代表が選出されたことに伴い、国際標準の設計段階から主導的な役割を果たす。特許については、2020年に2件を6Gの核心技術として選定し(注2)、2021年から研究開発資金と特許確保戦略マップをセットで支援する。
研究・産業基盤の構築:研究・産業基盤の確立のため、2021年に指定する大学3校(注3)に6G研究センターを設置し、修士・博士人材を養成する。
(注1)The 3rd Generation Partnership Projectの略。世界7カ国の通信分野の標準化組織から構成されるプロジェクト。RANは作業部会。
(注2)(1)空間ネットワーキング技術、(2)知能型超精密ネットワーク技術。
(注3)KAIST(Tbps級無線通信候補の要素技術開発)、成均館大学(THz帯域RF部品候補の要素技術開発)、高麗大学(知能型無線アクセス候補の要素技術開発)の3校。

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