20220415(中)中国最高人民法院 特許侵害訴訟 判決データ IP House(知財宝) SPRC China data 2021
- 二又 俊文
- 2022年4月15日
- 読了時間: 2分
今回、2021年(年間)における中国最高人民法院における特許侵害訴訟判決データ(SEP事案だけに限らない)を中国の知財データ大手の知財宝(IP House)がその資料の日本語版を提供いただいたので紹介する。本ブログ文末に日本語PDF添付。
レポートの主なポイントは
2021年1月から12月に専利侵害訴訟において最高人民法院が出した判決は433件
二審判決の内容:352件(81%)が維持。賠償金額が変更となったもの21件(下方修正13件、上方修正8件)。
最高人民法院が出した137件の特許不侵害判決のうち、107件は保護範囲に属さない、20件は先行技術の存在抗弁、2件消尽抗弁、1件先使用抗弁。
433件の判決のうち、損害賠償がほとんどすべて(430件)で請求され、うち9件は損害賠償の全額が認められた。
損害賠償が認められた判決は294件。賠償額で100万元(約2000万円)以上は17件(6%)。2審の平均は33万元(660万円)、中心値は10万元(200万円)。
記事原文
2021年度最高法院专利侵权纠纷案二审判决大数据报告
史腾、张祥 知产宝 2022-03-30
<参考>
最高人民法院判決のうちSEP関連訴訟がいくつ含まれるから現在調査中である。JETRO北京・香港の資料によれば中国におけるSEP関連訴訟(特許権侵害訴訟、SEP訴訟、独占禁止法関連訴訟、契約紛争訴訟、禁訴令)はこの10年で380件にのぼり(注)、二審制のもとで行われ、北京、上海、深圳、南京などでの1審の後、北京の中国最高人民法院が終審となるため、最高人民法院の判決の位置付けは極めて重要である。SEP関連訴訟でも重要な判例もすくなくなく、たとえば2021年8月19日のOPPO v. Sharpの管轄権異議を却下し、グローバル料率管轄肯定した注目判決などもあった。
(注)SEP研究会WORKSHOPにおけるJETRO北京・香港発表(3月21日ブログ添付ファイル)
https://ipr-study.wixsite.com/sep-research-japan/post/sep研究会workshop4-発表資料:中国編-sep-workshop-presentation-seps-in-china)
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