NECがHEVCでHisenseをUPC提訴 NEC's HEVC-SEP litigation in UPC
- toshifutamata0
- 4 日前
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HEVC(H.265)を巡る訴訟がヒートアップしている。HEVCは動画圧縮技術の中心規格で、ストリーミング、放送、スマートテレビ、スマホに広く実装されている。パテントプールは複数存在するが、今回提訴したNECは先に提訴しているNokia、ETRI(韓国電子通信研究所)と同様にHEVC Advance(現Access Advance)のプールライセンサーである。
被告企業Hisenseは中国の大手家電・スマートTV・家電メーカーでNokiaやETRIからも提訴され、集中砲火を浴びる形となった。Hisenseは過去10年で急成長を見せているが、他の中国企業同様パテントプールへの加入は後回しとし、訴訟受けてから和解や加入する傾向がある。訴訟地UPCはマルチカントリー提訴で勝訴の場合複数国で同時差止となるので、交渉圧力となる可能性が高い。
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日本電気株式会社NECは 中国Hisense(中国名:海進)を欧州統一特許裁判所(UPC Mannheim LD)で8月7日に特許侵害で2件の提訴を行った。ETRIも同日UPC Mannheim LDで提訴を行なっている。NECはこの特許を巡り本年6月に中国企業Transsionを訴えているが、2023年にはTCLを訴えており、今回のHisense提訴はUPCにおける3番目のSEP事案となる。
(1)UPC事件番号: ACT_34322/2025
NEC特許番号: EP2645714
UPC判事: Dirk Böttcher, Peter Tochtermann, Stefan Johansson
原告: NEC Corporation
被告人:Hisense(ドイツ、フランス、オランダ、イタリア、スロベニア)
原告代理人:Tillman Müllerドイツ弁護士(Bardehle Pagenberg. ETRIの訴訟代理人でもある)
(2)UPC事件番号: ACT_34324/2025
NEC特許番号: EP3057321
UPC判事: Dirk Böttcher, Peter Tochtermann, Stefan Johansson
<プログ筆者コメント>
今回の訴訟はNECが単独あるいは3社だけで戦っているわけではない。実質的にはパテントプール(HEVC Advance, 現Access Advance)戦略の一環であり、NECにとっては特許が無効化されるリスクを除けば、ローリスクに近い構図となっている。訴訟費用は後日プール精算で回収でき、共同行動の一環として経費シェアがされる。
先行したTCL事案(以下参照)のように「特許侵害提訴→特許無効反撃→最終的にはプール加入で決着」という流れは、結果的にNECの収益安定に貢献する。またNECのポートフォリオに対する評価UPにも貢献するだろう。
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<参考>NECの2件の先行訴訟
この訴訟に先立ってNECは2025年6月16日 UPC Mannheim LDに中国企業 Transsion (深圳本社で特にアフリカスマホ市場で50%を確保するなど新興国で強い企業、スマホ世界シェア第5位)を同じ特許で提訴した。中国名:伝音科技About UsShenzhen Transsion Holdingshttps://transsion.com › about
Transsionについては現在UPC Munich LD, Mannheim LD, Düsseldorf LDでNokia, Huawei, ETRIの3社がそれぞれ提訴している。
NEC v Transsion(特許侵害訴訟)
UPC事件番号(ドイツマンハイム): ACT_26612/2025
NEC特許番号: EP3057321
UPC判事: Andras Kupecz, Dirk Böttcher, Peter Tochtermann
原告: NEC Corporation
被告人:Transsion Holdings(トランシオン) およびその欧州関連会社
原告代理人:Volkmar Henkeドイツ弁護士
またこの前にNECはTCLとの係争(NEC提訴2023年)が以下のようにあったが、TCLからの特許無効提訴(2025年7月8日)を経て、結局TCLはHEVCパテントプールに加入することで決着している。
なお、TCLはVia Licensing AllianceのパテントプールのHEVC/VVC poolには
加入していた。
TCL v NEC (Counterclaim for revocation)
UPC事件番号(ドイツミュンヘン): CC_40354/2024
NEC特許番号: EP3057321
UPC判事: Andras Kupecz, Daniel Voß, Ulrike Voß
原告: NEC Corporation
被告:TCL(ドイツ、ポーランド、フランス)
原告代理人:Volkmar Henkeドイツ弁護士
被告代理人:Ralph Nackドイツ弁護士
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<参考2>二つのパテントプール
HEVC/VVCのSEPについては2つのパテントプールがある。Access Advance と
Via LAがVVC(H.266)にプールを拡大しながら両方のSEPを管理している。ライセンス
料や運用の透明性、重複ロイヤリティの問題なども指摘されている。
Access Advance:もともとHEVC(H.265)を中心としたパテントプール(旧HEVC Advance)で
あったが、VVC(H.266)にもプールを拡大し、両方のSEPを管理する。
ViaLA(Via Licensing Alliance):HEVCパテントプールを持っており、最近VVCもカバーするように拡張された。ViaLAはMPEG LAとの合併により、より大きな特許ポートフォリオとライセンスを提供している。
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