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エプソンが音声コーデックOpusプールからライセンス取得 Epson joins Opus audio codec pool


By Toshifumi Futamata on October 16, 2025


音声圧縮技術分野では、かつてMP3が音声コーデックとして広く普及していた(現在は特許満了)。標準化団体IETF(Internet Engineering Task Force)は音声と音楽の双方に対応するリアルタイム通信むけのための規格としてOpusの標準化を進めてきた。


Opus規格自体は公開仕様だが、関連する符号化・デコード処理に関しては米Dolby、独Fraunhofer、日NTTなどが特許を保有している。これらを束ねる特許プール管理者としてロンドンのVectis IPが2023年にOpus Patent Poolのライセンス活動を開始していた。


現在のライセンサーはDolby, Fraunhofer, NTT(2024年11月加入)の3社で、ライセンシーは50社以下と言われる(Vectisは社名を公表していない)。


Vectis IP Ltd

Opus Patent Pool


Opus技術の適用分野はスマートフォン、ノートPC、スマートTV、車載インフォテインメント、ゲーム、ストリーミングなど幅広い。

ライセンス条件は1台あたり0.15-0.17Euro, 年間上限(CAP) 1,500万〜1,740万Euroと報じられている。


Opus関連特許のうち、DOLBYは音声デコード技術特許(EP 365534B1)に基づく特許侵害訴訟を提起しており、日本のセイコーエプソン、台湾のOptoma(プロジェクターやデジタルイメージングメーカー、2024年に和解)、さらにトルコのArçelik(家電メーカー)が訴えられていた。


セイコーエプソンがDolbyからUPCハンブルクLDで訴えられたのは2025年1月で、この訴訟は9月17日に手続きが一時停止され、その後和解交渉を経て、今回のライセンス合意に至ったとみられる。

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Photo: Unsplash Jacek Dylag


<参考記事>

IAM 2025年10月25日記事(Paywall)



執筆 二又 俊文(SEP研究会 座長)

 
 
 

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