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(中) Appleと西安西電捷通が互いにSEP独占禁止法違反で提訴、北京高院判例紹介 IWNComm v. Apple in China

更新日:2022年7月17日

(中)SEP紛争を巡り、Appleと西安西電捷通が互いに独占禁止法違反で提訴、北京高院判例紹介

2022-07-14  来源: 南方都市报

西安西電捷通(以下西電とする)(注1)といえば、2017年にSONYにWAPI特許(注2)の特許侵害訴訟で完勝した中国企業であるが、今回同じWAPI特許でアップルにライセンス料の支払いを求めており、対するアップルは西電を支配的地位の濫用として独占禁止法違反で提訴していた。

このアップルの提訴に対して、きわめて異様な事態(ライセンサーが独占禁止法違反で提訴する)であるが、西電はアップルがライセンシーとしての市場支配的地位の濫用を行っているとし北京知識産権法院に反訴した。そして、西電はその2つの訴訟を併合審理するよう北京知財法院(一審)に請求した。しかし、北京知財法院はこれを却下した。これを不服として西電は北京高級法院(北京高院)に控訴していたが再び却下された。7月7日中国裁判文書網に判決公開。(2019)高民終549号。今回この控訴審判例を紹介する。なお、西電は別に陝西省西安中等人民法院でアップルを特許侵害で4月11日に提訴しており、審理が進行中である。(2022)陕01知民初775号。


現在2つの独占禁止法事案は併合されないまま、別々の審理に入っているが、特に西電(権利者)の主張する独占禁止法違反という異例の事案が中国における独禁法の適用でどう判断されるのか注目される。

本記事はJETRO香港松本要知財部長からの提供情報をもとに書かれた。


(追記)西電は現在サムスンとも訴訟中である。

Samsung v. 西電 (2022)苏05民初272号 江蘇省蘇州中等人民法院 2022年3月3日提訴。独占禁止法での提訴と思われる。これに対して西電は4月11日 (2022)陕01知民初776号で陝西省西安中等人民法院で特許侵害訴訟を起こしている。


(注1)西電といえば、SONYは6年にわたりライセンス交渉でライセンスを受けることを拒んでいたが、2017年3月にSonyを本件と同じWAPI特許の特許侵害訴訟で敗訴に追い込まれた。一審の北京知識産権法院はSonyの交渉態度はUnwilling licenseeと認定し、910万元の3倍賠償を認定した。SONYは北京高院に控訴したが、結局敗訴した。

(注2)WAPIとはWiFiに関する中国独自の国家強制規格で、WLAN Authentication and Privacy Infrastructureのことである。西電はその特許権者として2009年ごろから活発なライセンス活動を行っていた。



<参考>北京高等裁判所(北京高院)の判決報道。(機械翻訳をもととして仮訳)


南都記者によると、これはSEPを含む独占禁止をめぐる紛争であり、両者の交渉は10年以上前にさかのぼることができる。 2010年から2014年にかけて、西電はワイヤレスLANセキュリティ(WAPI)標準必須特許をAppleにライセンス供与した。そのライセンス契約が満了した後、両者は16か月間繰り返し交渉し、最終的にAppleは西電にロイヤリティの支払いを拒否した。その後、両当事者は互いに、発明特許権の侵害、市場支配紛争の濫用、および関連する訴訟の管轄権に関する訴訟を起こした。

独占禁止訴訟に関しては、2016年にApple Inc.、Apple Computer Trading(Shanghai)Co.、Ltd.、およびApple Electronic Products Trading(Beijing)Co.、Ltd.が一審の北京知識産権法院(北京知识产权法院)で西電を提訴した。被告がWAPI標準であると主張する1997年の標準必須特許の保有者は、標準の特許ライセンス交渉において、過度の価格設定、差別的な価格設定、販売の抱き合わせ、および差止命令を求めており、これらは市場支配の濫用にあたる。

その後、西電は、Apple三社が過度に低い価格設定、逆ハイジャック、差別的な設計など、ライセンス交渉の過程で購入者の市場の支配的な地位を濫用したと主張して、北京知識産権法院に反訴を提出し、反訴と現在の訴訟を併合するよう北京知識産権法院に求めた。

北京知識産権法院は、西電の反訴の理由は関連する司法解釈に準拠しておらず、同社が提出した反訴は受け入れられないとの判決を下した。判決に不満を持った西電は北京高等裁判所に控訴した。 7月7日、China Judgement Documents Networkに、この訴訟の最新の判決結果が開示された。西電の控訴請求は確立されず、控訴は却下された。

南都記者によると、中華人民共和国の民事訴訟法の適用に関する最高人民法院の解釈の第233条の第2項は、反訴とこの訴訟の請求は同じ法律に基づいていると規定している関係と請求の間に因果関係がある場合、または反訴と現在の訴訟の請求が同じ事実に基づいている場合、人民法院はそれらを併合して審理するものとしている。北京高院は、Apple三社が提起した訴訟と西電が提起した反訴は同じ法的関係を持っていないと判示しました。訴訟の主張から判断すると、両当事者は独占を停止し、関連する補償を支払うことを要求しており、両者には因果関係はない。

判決は、裁判所が、Apple三社による市場支配の濫用の存在は、西電 独占と補償を停止する命令によって肯定または否定することはできず、支配的な市場の濫用を停止するように命令することもできないと信じていることを示しています。そして、西電の独占を補償し、肯定または否定します。

裁判所はまた、訴訟の主張は、西電が高値、差別的な価格設定、抱き合わせライセンスを持ち、Apple三社に対する差し止め命令を求めたという事実に基づいているが、反訴された主張はApple三社の低価格に基づいていると指摘した。高値、差別的な価格設定など。購入者の市場における支配的な地位の濫用は、関連する市場のイノベーションに損害を与えました。 2つの事実は、2つの当事者間のライセンス交渉中に別々に発生した可能性があります。つまり、西電が主張するように、同時に2つの事実は同一ではない。

したがって、北京高院は、この場合の西电捷通公司による反訴は、一緒に審理されるべき状況でないと判断し、控訴却下し、当初の判決を維持した。



 
 
 

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