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(中) 論文紹介_変貌する中国SEPの状況Thesis on SEP in China by Shan Jiao

更新日:2022年12月6日

LES JapanNEWSに世界のSEP関係者から執筆いただいている世界のSEP連載シリーズをSEP研究会として続けている。今回は中国編をShan JIao中国弁護士に執筆いただいた。本記事がLES Japanのご好意で転載許諾となっているのでここで転載紹介する。本文は英文であるが以下の日本語要約を加えた。LES Japan NEWS, Vol.63, No.3, September 2022.


(論文解説)

SEP連載シリーズ第2回は中国のSEPをめぐる変貌を中国のSEP大型係争に深く携わってきた中国弁護士のShan Jiao(立方律師事務所)に執筆いただいた。 2020年は世界的に「SEPの年」と呼ばれ、SEP 権利者寄りの判決が相次いだが、中国では2020年から2022年の間に政策当局、裁判所、企業はあらたな環境への対応を踏み出した。 2020年のSEPの年には、SEP実施者が多い中 国 で はASI(Anti-Suit Injunction訴訟禁止令、 中国語で「禁訴令」)の発令が6件行われ、世界のSEP関係者を驚かせた。ASI(禁訴令)はSEP 実施者の中国企業と海外SEP権利者との対立が SEP訴訟の裁判管轄権として顕在化したもので ある。ASIは2021年にはWTOの場にも持ち込 まれる一方、各国での訴訟でもASIを逆に禁ずるAASIが発出されたり、ASIの申立自体を unwilling(不誠実)と断じる海外判決が出されるなど中国企業への逆風は強まった。


そのなか、 2021年から2022年にかけて中国に4つの大きな 流れの変化がでてきたとShan Jiao弁護士は指摘する。

1)ASIの凋落

2)中国独占禁止法の改正と新たな役割増大

独占禁止法に14年ぶりの改正が行われ、本年 8月1日から施行された。改正には重要な改正が おりこまれており、独禁当局であるSAMR(国 家市場監督管理総局国家反独占局)の役割も大幅に強化されている。SAMRは今回の改正に合わせてSEPに関するガイドラインを発表し、意見募集を行っている。SEP運用について(たとえば16条)厳しい規定もあり、今後これらのガイドラインがどう立法化されるか注目される。

3)中国企業の変化

ファーウエイ(華為)、ZTEも5Gの本格化を 迎え、充実した特許ポートフォリオをバックに、 従来のような実施者の立場から権利者の立場としての振る舞いに大きく戦略を変えている。特に華為の新たな知財方針を発表した本年6月のプレスイベントは注目される。

4)中国司法の変化

SEP訴訟はこれまで北京、深圳、広州、上海中級人民法院(以下中院)が中心であったが、 近年武漢中院、重慶中院などの新興裁判所が積極的な判決を下すようになっている。Shan Jiao弁護士はこの2022年を中国のSEPの新たな潮目の到来の年とみている。

Jiao Shan弁護士の原稿は全て英語で書かれているが、日本の読者の便宜を考え固有名詞に 繁体字での追記をいただいた。




 
 
 

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