中国でSEP認定方式と損害賠償額評価の団体標準発表 China's organization standard on SEP essentiality test and damage announced
- 二又 俊文
- 2024年1月18日
- 読了時間: 3分
「CHINA IP Newsletter JETRO北京事務所知的財産権部 知財ニュース2024/1/15号 (No.559)が伝えるところによれば、中国は独自のSEP認定方式とその損害賠償額算出の基準を標準化して「団体標準」として発表した。
中国における標準は国家標準、業界標準、団体標準などがあり、団体標準(中国標準化法18条)は国家標準とは異なり強制標準ではないが、中国知識産権研究会(日本でいえば知財学会にあたる)がSEPの評価について今回のような大上段の取り組みをするのは極めて異例な動きである。注目すべきことに中国の有力機関(中国情報通信研究所)、有力企業50社(チャイナモバイル、テンセント、バイドゥなど)が標準策定に参加しており、一部外資企業も参加していると報じられている。
今回の狙いが「知的財産権強国建設要綱(2021-2035年)」、「特許転換運用特別行動計画(2023-2025年)」などのボトルネックを解消しようとする取り組みと述べており、そうそうたる加盟メンバーのリストと合わせて考えるといずれなんらかの形でさらに上位標準へと格上げすることを狙っているのではないかとも見える。
また、強制規格でないとしても、もしこの団体に加入していた場合には団体標準に遵守することが求められるものと見られる。
SEPを巡る中国発のグローバルレートの裁判例や、今回の中国発のessentiality test, damage calculation規格など中国のこれからの動向には注意がいる。
JETRO記事引用=================================
中国知識産権研究会、標準必須特許の認定方法と知的財産侵害損害賠償評価方法の団体標準を発表
12月28日、中国知識産権研究会は「標準必須特許(SEP)認定方法」と「知的財産侵害損害賠償評価方法」の2つの団体標準を正式に発表した。これらの標準は、関連団体が標準必須特許を規範的に認定し、知的財産侵害に関する損害賠償を科学的に評価するための指導と参考を提供することを目的としている。
標準必須特許の数、ライセンス料金、および訴訟数の急増に伴い、各方面から科学的な規範に基づく標準必須特許の認定に対する要望が高まっていた。これに応え、中国知識産権研究会と中国標準化協会は共同で「標準必須特許認定方法」の団体標準を制定し、発表した。この標準は、標準必須特許の認定に関する原則、手順、プロセス、および認定レポートの要求などを明確にし、標準必須特許の認定に関する管理、実施、評価作業に対する指針を提供するものである。中国情報通信研究院、中国移動(チャイナ・モバイル)、騰訊(テンセント)、百度(バイドゥ)、字節跳動(バイトダンス)など50余りの研究機関と企業が制定に参加した。
また、「知的財産侵害損害賠償評価方法」の団体標準は、知的財産侵害の損害評価方法を規範化し、精細化された損害賠償額の計算基準を明確にした。上海西門子(シーメンス)医療器械有限公司、快手科技(Kuaishou Technology)など10数社の企業が標準の策定に参加している。これらの団体標準の発表は、知的財産権保護と管理の分野において重要な進展となる。
(出典:中国知識産権研究会公式サイト 2024年1月6日)
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