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(欧) EUがAOMediaパテントプールの独禁法調査開始 EU starts investigation on AOMedia pool

更新日:2022年7月23日

7月11日付けロイター通信によれば、次世代映像コーデックAV1のパテントプールについて欧州委員会の調査が開始された。

REUTERS: EU INVESTIGATING AOMEDIA FOR POSSIBLE ANTI-TRUST PRACTICES WITH AV1

背景を補足する。

テレコム分野のSEP(3G, 4G, 5Gなど)は「激戦区」であるが、もう一つ映像圧縮技術分野も新たな激戦区である。

現在H.265・HEVCのビデオコーデックでパテントプールが併存(MPEG LA, HEVC Advance, Velos Mediaなど)し、ライセンス料の高騰や訴訟リスクなどが問題となっていた。このような背景のなかストリーミング大手(Netflix, GoogleのYouTubeなど)からの反撃となったのがAV1(AOMedia Video 1)の規格化である。Googleなどを中心にパテントプール団体としてAOMediaが非営利団体として2015年に設立され、その後2018年にAOMediaはAV1の仕様(AV1 Bitstream and Decoding Process Specification)

を発表した。しかし、AV1の仕様書を入手するためにはロイヤリティフリーなどの宣言なしには入手できない上、AV1のライセンシーが他の実施者に侵害訴訟提起したときは、AV1のライセンスは解除されるなどの条件がある(注)。

 (注)AOMediaのパテントポリシーはW3C(World Wide Web Consortium)のものを踏襲している。

このため多くのSEP権利者が反発を強めており、欧州委員会の今回の調査はこの点をあきらかにしようとするものと思われる。


Photo: Unsplash, Matthew Kwong


なおAOMediaについては、2020年3月版の三菱総研の調査レポート(総務省委託)「AV1の動向について」がよくまとめられているので参照いただきたい。https://www.soumu.go.jp/main_content/000683387.pdf


 
 
 

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