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執筆者の写真二又 俊文

(速報)英国最高裁 Unwired Planet v. Huawei, Conversant v. Huawei and ZTEでグローバル料率を認める 20200826

更新日:2020年9月14日

判決原文 https://www.bailii.org/uk/cases/UKSC/2020/37.pdf

3件の控訴審判決(注)ついての59頁の判決には、(1)両当事者の合意がないとしても、英国特許に基づき、グローバルライセンスまでを判断するJurrisdictionが存在するか、(2)英国が判示するにふさわしいforum(Forum non conveniensにあたらない)か、(3)どこまでのN. D.(Non Discriminatory)が求めれるのか、(4)CJEU Huawei v. ZTEのガイダンスを満たしていなかったケースでは差し止めを認めないと判示しなければならないのか(判決文128)、(5)差し止めと損害賠償のいずれかが適用されるべきか、の5点について判示した。SEP権利者側の主張を認めたこれまでの判決を全面的に支持し、Huaweiなどの主張を退けた。


個別にみると、英国の裁判所がGlobal licenceのFRANDレートを言い渡すことができると判示し、その根拠はテレコム規格を定めた標準規格策定機関(SSO)であるETSIの IPR Policy(判決文8.)はそもそもinternational effect(判決文62.)を意図してFRAND条件などを定めており、その趣旨から判断すればglobal licenceにあるとした。(中国特許に基づき)中国市場におけるロイヤリティは中国の裁判所が決めるべきとする主張を退けた。また、N.D.についても厳密に同じレートである必要はないとして、Hard-edged N.D.を否定した(判決文105)。さらにCJEUガイドラインの遵守についても実質的な判断を行い、Unwiredに濫用はないとしている(判決文148)。

なお今回の判示にあたり、最高裁は米国判決(判決文68)、ドイツ判決(判決文75)、中国判例(判決文80)、日本判例(判決文82)、EU決定(判決文83)も検証し、FRANDを国際的視点で考えようとしているほか、これまでの英国のSEP判決も総括している。Birss判事の判断も全面的に肯定している。差し止めと損害賠償による救済についても、差し止めの必要性を認めた下級審の判断を支持した(判決文163)

(注) 3つの控訴審とはUnwired v. Huawei、Conversant v. Huawei , Conversant v. ZTEを指す

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