(欧)Nokia v. Oppo大型訴訟その後 Next phase Nokia v. Oppo
- 二又 俊文
- 2022年9月10日
- 読了時間: 2分
更新日:2022年9月12日
2021年6月30日に満了したNokiaと中国企業OPPOのライセンス契約の更改を巡り両者の
訴訟が激化している。NokiaはOPPOを英国、フランス、ドイツ、スペイン、インド、ロシア、インドネシアで提訴し、OPPOも2021年7月13日には重慶中級人民法院にグローバルFRANDレートの決定を求める訴えを起こしたほか、ドイツで3件の基地局をターゲットに特許侵害訴訟で対抗している(注1)。
その後各地での審理が進み本年に入り判決が出始めた。OPPOの欧州販売はSamsung, Apple, Xiaomi(小米)につぐ4位であるが、ドイツでの敗訴はOPPOがドイツ市場から撤退を余儀なくされる異例の事態となった。OPPOは控訴しているが控訴審での判断が待たれている。
1)ドイツ
ドイツだけでもマンハイム、ミュンヘン、デュッセルドルフの3地裁で30件もの訴訟が起こされていたが、まず2022年6月21日及び7月5日マンハイム(2件)でNokiaが勝訴した(case No.2 O 74/21)。これに対してOPPは控訴している。
さらにミュンヘンでもNokiaが勝訴(2件)し、OPPOに対して差止排除命令が出された。OPPOはこれを控訴した。
一方デュッセルドルフ地裁では2件(この2件は先般のNokia v. Daimlerと同じ特許であるが、OPPOは非侵害の主張を組み直し提出して、デュッセルドルフ地裁はその審理を理由にペンディングとしており)はミュンヘン、マンハイム地裁とは異なる進捗となっている(注2)
2)英国
2022年7月11日原審 Nokia v Oppo [2021] EWHC 2952 (Pat)を支持。Oppoの敗訴。
3)まとめ
OPPOはこれまで「攻撃は最大の防御」という訴訟戦略をとってきており、Sharpとの訴訟で大勝利するなど訴訟に強いとの評判を勝ち得ている。一方NOKIAも主要メーカーとのライセンス契約を終え、年間1.5BnEuro(約2200億円)のロイヤリティ収入を上げている(2019年)。今後ドイツ控訴審での判断がどのようになるか注目される。
(注1)ドイツの訴訟(控訴および反訴)についてはFOSSブログ2022-06-21, 2022-07-05、2022-07-07及び2022-09-01参照
(注2)デュッセルドルフでの訴訟進行についてはFOSSブログ2022-08-09参照
(注3)UKの訴訟についてLexology/Bristows LLP 2022-07-12参照

Photo: Oppo HP
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