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UPC ZTE v Samsungで金額付和解勧告を発出(3) UPC's Proposal to Settle ZTE-Samsung Litigation

ZTEとSamsungの係争に関し、英国と中国で5月1日グローバルFRANDレートに基づく支払額が判示された。しかし、もう一つの有力裁判地UPCマンハイム地方部(LD)は、各地での異なる金額の混乱を集約すべく和解勧告(5月13日付)を発出した。合意勧告にはUPCとしてはじめて金額を示し、主導的にSEP係争を終結させようとする姿勢を示した。


ZTE_SAMSUNG_SETTLEMENT_Proposal_signed.pdf(注)

UPC Mannheim Local Division UPC_CFI_189/2025

Order of the Court of First Instance of the Unified Patent Court issued on 13rd. May 2026

EP4050804(通信または放送システムにおけるチャネル符号化・復号化の方法および装置)

裁判官: Peter Tochtermann, Dirk Böttcher, Carine Gillet, Klaus Loibner


マンハイムLDによる「和解提案(Settlement Proposal)」の核心

2026年5月13日付で出される命令は、UPCマンハイムLDが、係属中の紛争を根本的に終結させるための「裁判所主導の和解提案」であり、非常に踏み込んだ内容である。


提案された2つの和解の選択肢

裁判所は、当事者に対し、紛争を全地球的に終結させるための以下の2つの和解ベース案を提示している。


SamsungからZTEへの支払い

ライセンス期間満了日

5年期

€640M

2028年12月31日

6年期

€730M

2029年12月31日

前提条件: 上記いずれかの案に基づくクロスライセンス契約の締結。


背景にある「紛争整理の試み」

裁判所がこのような提案に至った理由は、以下の「紛争の複雑さ」を整理するためである。

  1. 各国の判断の相違: 英国(EWHC 999 PAT: $392Mの支払命令)、ドイツ・ミュンヘン地裁($640Mの支払を示唆)、中国・重慶第一中級人民法院($731Mの支払がFRANDと判断)など、世界各地でバラバラな額が示されており、これが当事者を混乱させていることを認識している。

  2. 不経済の解消: 既にマンハイムで審理したFRANDの事実関係に基づき、これ以上各国で訴訟を継続させるより、裁判所が主導して「中立的な落とし所」を示すほうが経済的であるとの判断した。

  3. 調停への誘導: もし当事者がこの和解提案を拒否する場合、PMAC(Patent Mediation and Arbitration Centre)による調停を利用するよう強く促しており、2026年5月31日までにこの提案および調停の可否についてコメントするよう命じた。


実務的な要点

  • 「介入的」な姿勢: 裁判所が、単なる侵害の是非だけでなく、グローバルなFRAND料率の「相場」を比較検討し、当事者に具体的な金額を提示して和解へ誘導する、極めてプロアクティブな姿勢である。

  • 訴訟継続のプレッシャー: この提案は「無前提」ではなく、紛争継続が各当事者にさらなる法的不確実性をもたらすことを警告する意味合いも含まれている。

  • このオーダーは、これまでの「侵害・無効の審理」から「グローバル和解の成立」へとUPCマンハイムLDが明確にシフトしたことを示しており、非常に重要な節目となっている。


参考記事

  • UPC文書 IPFRAY5月12日付


 
 
 

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