UPCにおけるFRAND抗弁の判断(第3のFRAND判決) 3RD UPC FRAND Decision in Dolby v. Beko/Arçelik
- Toshi Futamata
- 2 日前
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UPCのSEP判断の方向性を示す判例がUPC Dusseldorf LDで出された。権利者DOLBYの求める差し止めが認められた。
Dolby v. Beko/Arçelik
18 March 2026, Case no. UPC_CFI_135/2024 & UPC_CFI_477/2024
Mannheim LDのPanasonic v OPPO(2024年11月)・Munich LDのHuawei v. Netgear(2024年12月)に続くUPC第3号のSEP本案判決として、Düsseldorf LDは他のLD判決に合流し、「ドイツ的厳格アプローチ」を踏襲した。Huawei v. ZTE 規範を「任意の交渉指針」ではなく「行動規範」として適用する姿勢を示した。
1. 事案の特殊性:「ロイヤルティフリー」標準のSEP行使
DolbyはOpus規格の標準化プロセスに参加しておらず、FRAND宣言を行っていない。Opus標準は業界では「ロイヤルティフリー」と認識されていた。
2. 実施者のFRAND抗弁認められず:Step2で終わる
Step 1(通知): Dolbyのクレームチャート送付で充足
Step 2(意思表明): Beko/Arçelikの明示的・適時なライセンス意思表明が欠如し、FRAND分析はここで終了
Step 3(オファーのFRAND適合性): 審査せず
3. Dolbyの市場支配的地位を認定:理由は消費者の期待
スマートテレビの購入者が主要コーデックへの対応を当然視しているという「消費者の期待」が決定要因として採用され、たとえ標準化活動に不参加・FRAND宣言なしでも市場支配的地位が認定され得ることが示された。
4. 特許消尽(exhaustion)抗弁の棄却
Beko被告が主張した特許消尽の抗弁も退けられた(詳細は判決原文参照)。
5. 今後の見通し
直近の帰結: 和解が最も現実的な次の一手。他の実施者はVectisプールへのライセンス取得という選択をとっています
控訴の可能性: FRANDに関しては控訴で結果が変わる公算は低い
判決文はドイツ語であるが、これを高橋弘史氏が日本語訳をされており、ご好意でPDFをUPさせていただく。この判決文により判断基準が詳しく
理解できる。
参考記事
EPLAW 2026年3月26日付
UPC – Dolby v. Beko: UPC Düsseldorf LD affirms Huawei v. ZTE FRAND defence and negotiation framework
IPFRAY 2026年3月18日付
UPC Dusseldorf LD finds Beko and Arçelik’s slowness to declare willingness — but not absence of Dolby pledge —dispositive of FRAND defense

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