技術分野Wi-Fiは技術の進化と普及により、市場にはまだWi-Fi4, Wi-Fi5もあるがWi-Fi6が新たな係争の舞台となっている。そのなかでも有力SEPを多く保有する権利者Huaweiの動きは活発である。
HuaweiはWi-Fi6のルーターを巡り2022年から大手ユーザー4社とライセンス交渉を続けていた。訴訟を経て、HauweiはAmazon, 独大手ルーターメーカーAVM(本年4月15日), 車メーカーStellantisの3社に対してはライセンス契約締結に至った。しかし、Netgear(米国ネットワーク機器大手)とは合意に至らず訴訟が継続していたが、UPC Munich地方支部(Matthhias Zigann裁判長)がNetgearに対して特許侵害を認定し、差止命令を12月18日に下した。
差止適用国は7カ国(ドイツ、フランス、イタリア、ベルギー、デンマーク、フィンランド、スウェーデン)。これはUPCにおける二つ目のFRAND差止判決である。(注)
(注)一つ目はPanasonic v. OPPO in UPC Mannheim LD
ただし差止の実施についてはファーウエイは担保を置く必要があるほか、Netgearはenforcement stayを求めて控訴審(CoA)に控訴することもできる。また、Netgear製品のうちQualcommチップを使ったものについては消尽を理由に除外されていた。
さらに12月19日にはミュンヘン地裁Iも同様の差止判決を下した。
これらの一連の動きに対してNetgearは米国カリフォルニア中部地裁に執行停止(temorary restraing order, TRO)を求めて認められたが、ミュンヘン地裁ならびにUPC ミュンヘン支部はAASIを出し、それを否定する命令を発出した。さらに12月24日には中国最高人民法院も同様にAASIを発出した。これは中国初の権利者(華為)のために発出したAASIとなった。
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中国最高人民法院判決(中文) https://mp.weixin.qq.com/s/a10HXJDz9Uxlz5UAhhwaLw
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